貰捧・記念小説

□夜型
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夜型
(甘→シリアス)



黒猫は溶けるよ様へ提出します!
plan.18様企画Thank you








いつもと変わらない日常。


普通に登校して、書類に目を通してサインして…
違反した生徒を咬み殺して。




なのに…
普通にいつも通りに生活していただけなのに…





「なんで…ッ」







今日も普通に応接室のソファで少し昼寝をして、自然と目が覚めた。

まだハッキリとしない視界、擦ってゆっくり目を開くと視界にあらわれたのは長い何か…



目の錯覚かと思いもう一度目を擦ってみるがやはり錯覚ではないようだ。


艶やかな漆黒の毛が生えたまるで『猫のしっぽ』の様な…





恐る恐る手を伸ばして『それ』に触れてみた。

やはり猫のしっぽのようだ。


引っ張ってみてわかったがその猫のしっぽは自分の腰の辺りから生えていた…





「………!!」



もしやと思い頭の方に手を伸ばしてみるとやはり『猫の耳』が生えていた…








どうしよう…
どうしたら元にもどるのか…

まず、どうしてこんなことになったのかすらわからない。






どうしていいのかわからずにそのままいると廊下を走る音が聞こえた

しかもこっち(応接室)の方へ近づいて来ていた




どうしよう、
どうしたらいい!?

逃げるところも隠れるところもないのに!!










ガラッ─



「恭ー弥ー!!」


「あ…」



どうしたらいいのかわからず、とにかくソファに深く座って猫の耳を両手で隠していると扉の方から聞きなれた声が聞こえた。





「なんだ…あなたか…、」

「え?今日この時間に行くって言ってあったよな?
それより…どうかしたのか?」


「え……」




確かに僕のしていることはこの事情を知らない他人からみるとおかしい



ディーノとわかってホッとしたが、本当にこれでよかったのか?





「もしかして怪我してんのか!?」



そう言ってディーノが僕の方に近づいてきた。




「ち、違うから!来ないで!!」



「なんでだよ。じゃあ手、離してみろよ」



ディーノが僕の手をどかせようとぐいぐい引っ張った



「やめろ!触るな変態!!」

「へぇ…そんな事言われって余計に剥がしたくなるな」


「や…やめッ!」




やはり大人の力には敵わず猫の耳を隠していた手が持ち上げられた。





「え……」

「……ッ、」






「ね、猫…耳?」

「……しっぽもあるよ、」


と、立ってみせた。




「…き、恭弥…可愛すぎ!!」


「は?どうしてそうなるの?」




「だってヤバイって恭弥…!

オレの為にその格好してくれたのか!?
嬉しい…オレ、その姿見てるだけでメシ100杯食える!!」



「そんなわけないでしょ!

どうしてこんなことになったのかわからないんだけど…」








「んー…多分リボーンの仕業だろうな」

「赤ん坊の…?」



「とにかく恭弥の体に何かあっちゃいけねーし…リボーンのとこ行くか…」


「どうやって行くのさ…」



しっぽは服に入れるとして、耳は隠せそうにない…








パサっ─


「え…?」




何か被せられて、それはディーノの上着だった。



「それ、オレの。着てろよ、フードも被って」



「あ…うん」




貸して貰った上着を着ると優しい香りに包まれて、手が出ないほどに大きかった…
やっぱりこの人は大人なんだと実感した。





















僕が猫化した原因は前に赤ん坊からもらった飴を食べたからだとわかった。


食べてから1時間すると猫耳としっぽが生えてきて、
そして半日(12時間)たつと元に戻るらしい…


僕がこの飴を食べたのはお昼の2時くらいだから夜中の3時くらいには元に戻るはずだ





ディーノも初めは…


『恭弥の体に害は無いんだろうな!?
オレの恭弥にもし何か起きたら例えリボーンでも許さねぇぞ!』


…とか言ってたくせに、




この飴は体に害が無いと知った途端に赤ん坊にこの飴を分けてほしいと頼みこんでいた─











「恭弥…?眠れねぇのか?」



今は丁度日付が変わったくらいの時刻。
いつもならディーノが仕事を終わらして寝室にくる時は僕は既に眠っている…


でも、今日は疲れている筈なのになかなか寝付けなかった。

これも猫が夜行性(?)だからだろうか、





「3時くらいになったらそれ、元にもどるんだよな?」


「うん。多分ね…」




「あー、なんか勿体ねぇなぁ〜」

「僕はこんなモノ早く消えて欲しいね」



「なんでだよ…
こんなに可愛いのに」





そう言ってディーノは急に僕のしっぽを掴んだ。


いきなりの事で僕はビクッとしっぽをたてた





「や、だッ…触んないで!」





ただでも人に触れられることに慣れてないのに、自分でもあまり触れてない耳やしっぽを触られるのは何だかん変な感じがしてイヤだ…




「へぇ…本物みてぇ」


「触るなって言ってるでしょ!んッ…!」



「耳も本物そっくり、
猫みてぇにピクピク動いてる」

「ちょッ…やめてよ、」



「恭弥…可愛い」


「うるさ…い、黙れ」




「恭弥、こっち向いて?」


「やだ…」


「なぁ恭弥…」



「明日も早いんでしょ?
もう寝なよ」


「やだ」




ディーノが雲雀の口調を真似て言うと雲雀はムスッとしていた




「恭弥が寝れねぇなら一緒に起きてる」


「明日も仕事あるんでしょ?」

「でも起きてる。
恭弥が眠くなるまで一緒に起きてる」






明日も朝早くからディーノは仕事だ。

ある程度終わったら日本に来るがやはり日本でも仕事をしている


まぁマフィアのボスだからしょうがないけど…





いつも睡眠時間が少ないディーノだからきっといつも無理をしている
酷い時には目の下にクマが出来ているくらいだ。
だからディーノのためを思い早く寝て少しでも長く休んで欲しい…




でも本当は不安で、
元に戻るのかもわからないし

本音を言うと不安で不安で仕方がなく起きててほしかったりする…






「好きにすれば…」



「素直じゃねぇなぁ…」

「そんなこと言ってると無理矢理寝さすよ?」



「ワリィ、それは勘弁な」





そうやってあなたはいつもへらへら笑って何でもないように僕の為に無理をする




「…………」


「なんか、暇だな…」


「しょうがないじゃない…
別にする事もないんだし」

「まぁな…」




「…ねぇ」

「ん…?」



「なんでもない…」





「恭弥…」


「…………」



「好き」


「そう」

「愛してる」




「聞き飽きたよ…」


「聞きい飽きるなよ。もっとオレだけを見て、好きになって」




なんて…
あなたは知らないから

僕がどれだけあなたを必要として、好きになってるとか。


わかってよ…
言葉になんてしなくても






「眠れないのって辛いか?」

「別に」



「本当は辛いんだろ?いつもはもっと早く寝るし」


「だから辛くない」


「無理するなって、頼むから素直になってくれよ…
わかんねぇんだよ。恭弥が辛いときとかさ、お前がまんするだろ?顔にもださねぇし」




「………」




「好きだから、尚更心配なんだよ…
恭弥に辛い思いとかしてほしくねぇし、オレに出来ることが何かあったらしてやりたいし。」




「………わかってよ。
僕のこと好きなら…わかってよ」


「わかってるつもりだけど…」



「じゃあそれでいいじゃない…」



「でも…それだけじゃ足りねぇんだよ。と恭弥の思いはちゃんと恭弥の口から聞きたいから。
それに今回、猫化したことだって初めは不安だったんだろ?原因も分からず誰かに聞けることじゃねぇし。
そういう時はオレを頼ってほしいんだ…誰にも聞けなかったらオレに聞いて?不安な事があったらオレに話して?」




「…不安だったよ。それに怖かった。どうしてこんなことになったのかわからなかったから…
初めはあなたなら何かわかるかもしれないから聞こうと思った…」



「なら…!」



「でも、もしかしたら嫌われちゃうかもしれないって思った…!!
もし原因も分からず元に戻らなかったらって─……」


「…恭弥」




「そっちの方がもっと怖かった…!!
あなたに嫌われたらッ…」






「恭弥…、大丈夫だ。オレはオマエのこと嫌いになんてならねぇよ。
ありがとな、本当の気持ち話してくれて、」



そう言ってディーノは雲雀を優しく抱き締めて頭をぽんぽんと撫でた




「…ディーノ」


「オレはどんな恭弥も好きだから安心して…」





「……ありがと」





雲雀も安心したのかディーノの胸に顔を埋めた…


そして暫くディーノが雲雀の背中を撫でていると雲雀から規則正しい寝息がスースーと聞こえてきた。






「恭弥……ありがとな、」



と、ディーノは聞こえていない雲雀に向かって一言呟くと雲雀を抱き締めたまま目を覚まさないように横になって布団の中に入った。



「…Buonanotte、恭弥」




そして雲雀を抱き締めたままディーノは眠りについた。












夜型
(独りで眠れない夜は)(二人で眠ろう)




fin...










あとがき



〆切ギリギリすみません!
黒猫は溶けるよ様に提出します。
素敵な企画ありがとうございました(*^▽^)


甘のつもりで書いてたのに途中から何故かシリアスな感じに…

しかも終わり中途半端
で無理矢理な感じでモヤモヤします…



最後までお読みいただきありがとうございました!






20100228

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