過去Clap
□拍手C
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§後ろ姿§
ナルト…
ねぇ、こっち向いてよ
お願い
私はぎゅっと拳を握りしめる。
自分の爪が皮膚に食い込んだが気にならなかった。
今ナルトは私に背を向けて立っている。
だからどんな表情なのか分からない、けど何故か胸が締めつけられた。
きっと涙を流しているのだと思った。
ナルトは静かに泣くのを私は知ってる。
その時のナルトはいつもの明るさは微塵もない。
このまま消えてしまうんじゃないかと思ってしまう。
だから…
私は後ろからナルトを強く強く抱きしめた。
一人っきりで泣くナルトを一人っきりにしたくなかった。
「…サクラ…ちゃん」
ナルトは少し掠れた声で私の名前を呼んだ。
「……あんたは一人じゃない、私がいるから…」
ナルトの涙の音を聞いて、私も堪らず泣いた。
私達は何時間もそうしていた。
もう帰らないあの人を思いながら
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サスケを追うナルトとサクラちゃんを書いてみました。
二人はいつもこうやって支えて来たのだと思っています。
ことは。