妄想文

□【神アレ】君の手で…
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「う…っ、はー…、はー…、神…田ぁ…っ、苦し…」



虚ろな瞳で訴えかける。



「神田…、僕を…っ殺して…。君の手で、逝きたい…」



その瞳には涙が溢れていた。



「ノアにやられて死ぬなんて…絶対に、イヤです…っ。」



俺が守ってやれなかった…。



「死ぬ時は…っは、神田の…手で…っ、ぁ…っ」



苦しそうなお前を

もう、見たくない。



「…わかった。お前は…俺が殺してやる。」


「あ…りがと、神田…」



とめどなく溢れ出てくる鮮血が白を赤く染める。



「か…んだ…、生きて…下さい…。僕の分まで…生きて…。」


「わかった、わかったから…もぉ喋るな!」



俺が、お前の分まで…



「は…、は…っ、愛してます…神田…っ」


「うっせ…」



ふふ…っと笑うと目を閉じて、だんだん力が抜けていく。



「俺の方が愛してんだよ」



そう言って、最後のキスをし


アレンの心臓に六幻を突き立てた。



「ぅ、あ゙…っぐ…」



苦しまずに逝けるよう

一瞬で殺してやる。



「…りが、と…」



真っ赤に染まったアレンを抱き締めた。


流れ出る血は生暖かく


しかしアレンの体は徐々に冷たくなっていった。



「俺の寿命もそんなに長くねぇからよ。少しの辛抱だ。あの世で待ってろ、アレン…。」





『神田、愛してます


何よりも、君の事を…』







【終】



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