ちょこっと文

□惚れ薬
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「アレン君。コレ、なーんだ。」

ニコニコと…いや、
ニヤニヤと笑いながら、コムイが小さな瓶をアレンの顔の前に付きだしてきた。
中には淡いピンク色の液体が入っている。
どうせまたおかしな薬を作ったんだろう。

「知りませんよ。
下剤かなんかですか。」

実験台になんかされてたまるか。
シラッと軽くあしらい、その場をさっさと立ち去ろうとした。

「チッチッチッ!違うんだなー。
これはねぇ、恋する乙女ならば誰しもが欲しがる…
惚れ薬だよ!」

「あ、そうですか。じゃ、戻ります。」

冷たく返事をし、そのまま帰ろうと扉に手を掛けた時、コムイがアレンの肩をポンと叩きニッコリと笑って言った。

「で、アレンくんは?好きな子いないの?」

そんなコムイに対しアレンはいつもの笑顔でコムイを見た。

「コムイさん。僕は乙女じゃありませんし、そんな薬を使わなくたって好きな人を振り向かせるくらいの自信ありますよ。」

「ちぇっ、じゃあラビに実験相手になってもらっちゃおー。」

そう言うとコムイはアレンの肩から手を外し、ヒラヒラと手を振った。



そう、僕は乙女じゃない。
そんな薬を使うのは自分に自信のない人だ。
僕はそんなに弱くない。
それに好きな人の心は自分で手に入れなければ意味がない。

いくら嫌われていたって
君は絶対に僕の物にしてみせる。



絶対に

君は僕の物に…。

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