《裏》妄想文

□【アレ神】お仕置き…
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「神田、その耳…」

「ぁあ?」



任務帰りの列車の中。
髪の間から覗く耳を見てアレンは怒ったような表情を見せた。

神田の耳には、装飾品のようなものが付いていた。





「これは…通信機だ。」

「通信…機?でも君の耳には、穴が開いてますよ。」

「…戦闘中に落ちるといけないから…」

「ピアスのようにしてもらった、ですか?」



静かに頷く神田の表情はポーカーフェイスを作ってはいるが、どこか怯えた様子。

アレンの瞳が優しさを失った。





「君は僕のモノだって、教えませんでしたっけ?」



笑みの感じられぬ笑顔で神田に押し迫る。

フイ…と顔を背ける神田の頭をグッと寄せこちらに向ける。



「僕を見て下さい。」



その声は冷静だ。
その冷静さが、逆に恐ろしい。



「っ、悪…かった…」

「なにがですか。」

「…勝手に、穴を開けて…」



その言葉を聞いたアレンはニコリと笑うと触れるだけのキスをして言った。



「神田。僕は勝手に開けた事を怒ってるんじゃありませんよ。」

「…え……」

「ピアスであろうと通信機であろうと、君が身体に傷を付けた事に腹を立てているんです。」



神田の耳に付いている通信機を手に取り、バキッと言う音をさせながらそれを折り壊した。



「っ!」



小さな音だとしても耳元で機械が壊れる音に神田はビクッと身体を強ばらせた。



「通信機、壊れましたね。もう使えないんですから外して下さい。」



アレンの冷たい言葉に神田は逆らえない。

壊れた通信機を耳から外すとポケットに押し込んだ。





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