妄想文
□【神アレ】懺悔
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「うわぁ、教団にも教会があったんですね。」
「正確には教会ではないらしいがな。俺も詳しくは知らねぇ。」
白で塗られた壁に十字架に張り付けられたイエス・キリスト。
優しく儚げに頬笑む聖母マリア。
良い事も悪い事もすべて包み込まれている気持ちになる。
手を合わせ指を組み、神に跪き、神に許しを請う。
「神様…僕は悪い子です。」
「もやし?」
神に愛され、神に呪いを受けた。
この姿を、この運命を憎み
神をも憎んだ。
なぜ僕をこの地へ落としたのかと。
エクソシストとなり、神だけを愛し、すべての者を平等に愛さなければいけない。
それなのに…
「僕はエクソシストとなり、仲間になった彼を、好きになってしまいました。」
何よりも強く愛すべき存在の、神よりも。
「神田を、愛しています。」
神様は、僕を許してくれますか?
それとも、堕落した者として、僕を咎めますか?
それでも僕は構わない。
「もやし、行くぞ。」
「はい、神田。」
あなたに愛され、エクソシストとなり、彼に出会い、人を愛する事を知ったのだから。
【終】
→あとがき