2nd(二次創作)

□君のトナリ
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「今日のゲストは沢田さんで-す」


真夜中のテレビから聞こえる、女性司会者の元気な声。
あぁ、もしあの司会者と沢田さんに何らかの関係があったらどうしよう。
僕はまたそんな不吉な事を考えながら頭を抱えた。
近くのテーブルにぽつんと置かれたカッターナイフ。
一年前までは使うあてが無かったのに、今は何時でも使えるようにスタンバイしてある。





―沢田。
彼はまだ売り出し中のお笑い芸人だ。
例えテレビに出れたとしても、大抵が深夜番組だ。


僕は一年前の夏、彼を初めて見た。
カッコいいと思った。
その反面、可愛らしさもあった。
最初はファンという領域に留まっていたが、それは次第に恋心に変わり、最終的には欲望へと変化した。

彼のブログを見る度に、彼は今何をしてるのかなどとストーカー染みた事を考えて、彼がブログを更新しない日があれば彼女と遊んでるから更新出来ないのかなと不安ばかりが募っていった。
不安すぎて仕方がなかった。
出来るものなら、彼を鎖で繋いで監禁しておきたい―


「何か宣伝のある方-」


ふと我に返ると、番組は後半に差し掛かっていた。
まぁ、良いや。録画してあるし。
僕はリモコンを手にとった。


「はい!!!」


テレビを消そうと電源ボタンを押しかけると、沢田さんの声が聞こえてきた。
僕はテレビに顔を向ける。


「明日、新宿でライブやります!!まだチケット余ってるんで、是非来てください!!!」


ライブ…。
僕は過去に五回程彼のライブに行ったことがある。
何度もライブ終わりに彼に話しかけた。
けれど、彼は僕を覚えていない。

今回こそは…


僕は携帯電話を手にした。


「ねぇ、雲雀。明日空いてる??」
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