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□myself
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ねえマミー・・・


マミーがお星様になってから、いろんなことがあったんだよ・・・








myself









「ねえねえ…私も仲間にいれて」

公園のベンチに座ってうとうとしていた私の耳に小さな声が入ってきた。
声のする方を見てみると、男の子たちの集団から少し離れた所に一人の女の子がぽつりと立っていた。
家が貧しいのか少し質素な格好をしているがかわいい女の子だ。



「私も混ぜて・・・」

女の子はまた消えてしまいそうな小さな声で呟いた。


すると彼女に気づいた彼らは彼女の格好を見て顔を見合わせた。
そして何やらこそこそと話していたが、にやりと笑って女の子の方に振り向いた。


「嫌だね!お前みたいな汚い奴なんて仲間に入れてやんねえ!」

「え・・・」

「そうだ!だいたいお前みたいなやつはこんなとこきちゃいけねえんだよ!」

「なああっち行こうぜ!
こいつと一緒にいたらこっちまで汚れちまうぞ!」

「そうだな!
じゃああっちまで競争しようぜ!
最後のやつはこいつと同じくらい汚いことにしようぜ!」

「あはは!そうしようぜ!じゃあ・・・よーいどん!」

そう言って彼らは走って公園を出て行ってしまった。
また女の子は一人ぽつりと残されてしまった。








―――・・・・。




そういえば私も彼女と同じだった。





「ねェ・・・私も仲間に入れてほしいアル・・」


故郷のあの星で周りの子達に声をかければ、みんな同じ反応をした。




「なんだよ!夜兎族め!
お前らみたいな気持ち悪い化け物を仲間に入れるわけねーだろ!」

「お前ら夜兎族はみんなの嫌われ者なんだよ!太陽にすら嫌われてるくせに!」

「おい、やめとけって!
こいつらを怒らせたら殺されるから気をつけろって父ちゃんが言ってたぜ!」

「そんな・・・私そんなことしないヨ・・・」

「嘘つけよ!お前だって夜兎族のくせに!
戦うことしか頭にないくせに!」

「ちがうヨ!私は・・・」

「なあ!殺される前に早く逃げよーぜ!」

「そうだな!」







私に友達なんて一人もいなかった・・・。


家族も・・・。



「夜兎族」の私を受け入れてくれる人なんて誰もいなかった・・・。




私は・・・ずっとひとりだった・・・。
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