運命

□噂
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それから俺達は何度も会合を開いた。


噂になるだけに、彼女もそれなりに情報を手に入れていたようで、俺達の情報と掛け合わせると、作戦は練りやすくなった。



何度も何度も打ち合わせをして、ようやく作戦は完成した。



今日は作戦実行の三日前だ。


「リーダー、聞いていなかったが、新八殿たちとは帰って来てから顔を合わせたのか?」

縁側に座り、夜空を見上げる彼女の背中に問いかけた。


「・・・ううん。会わないつもりアル。」

こちらに振り向かず、彼女は答えた。


「手紙も出してないネ。私のことなんて忘れてもらった方がいいアル。」


「・・・。」


「だからこれでいいのヨ。」


彼女はそう呟くと自分の膝を抱えて小さくなった。


「リーダー、リーダーが良くても、彼らはずっとリーダーに会いたがっていたぞ。」

「・・・・。ダメヨ。
もし私が失敗して捕まるようなことがあったらみんなに迷惑かけるかもしれないネ。」

抱えていた膝をさらに引き寄せて、また小さくなった。


「大丈夫だ。リーダーは宇宙一のリーダーだ。失敗なんてしない。」

根拠なんてないが、リーダーを諭すためだった。


「・・・リーダーは会いたくはないのか?」

「・・・・。」

「会いたいのなら会っておくべきだぞ。
きっと彼らも喜ぶだろう。」


「・・・・。」


「明日は夜まで自由だ。リーダーの好きに動いていいぞ。」


「・・・・。ウン。」


彼女は俺に背を向けたまま小さくうなずいた。


あと三日・・・

俺は小さく拳を握り締めて、その場を後にした。



「噂」  end

2009.6.6
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