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□I hug you
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こいつを抱いてるとどこか安心すんだ。



まァ抱くっつってもただ腕に抱いてるって意味なんだけど。


でもこいつが腕ん中にいるだけで、そういうことしなくても俺の心は満たされんだ。
まあ正直言うと銀さんも男だからそういう気分になったりするけどな。

でもさ、俺が抱きしめてやると、こいつすげー嬉しそうな顔しやがんだ。
その顔見ただけで・・・なんかそれだけで、なんつーか、銀さんいっぱいいっぱいなっちゃうんだよ。
なんだこの気持ちは?
銀さんも年が年だからいろんな女と一緒に過ごしたりしてきたけどさ、初めてだよこんな気持ち。
よくわかんねーけど、愛しいってこういう感情なのかねェ。
まァとにかく、この俺をこんな気持ちにさせるなんてお前は大した女だよ。



でも俺を抱き返すときはいつもどこか不安そうな顔してやがるんだ。
だから何が不安なのかはよくわかんねーけど、こいつの不安を俺が少しでも取ってやりてェなんてらしくもねーこと考えながら毎回少し力を込めて抱き返してやんだ。
そしたらこいつは俺に身を任せて安心しきった顔をしてくれる。
・・・やっぱお前のこと、愛しいみたい。
俺の腕の中でそんな顔してくれるだけで銀さん嬉しいもん。



今日も強く抱き返してやると、こいつは俺の胸に頬ずりをした。
その仕草が可愛くて、頭をそっと撫でてやっていると、静かに寝息を立て始めた。

安心しきった可愛らしい寝顔にほっと息をついて、小さな唇に口づけた。


「ふァ〜・・・俺もそろそろ昼寝の時間だな。」

こいつの寝顔を見ていたら俺も眠たくなってきた。
神楽を抱きしめたまま上に乗せてソファーに仰向けになった。
神楽の柔らかいいい香りとちょうどいい重みを感じながら俺は瞳を閉じた・・・。


・・・うん。よく眠れそうだわ。
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