「…ったく、まぁたこんなとこで寝やがって……」


飲み屋から帰ってきてみれば、電気もテレビも点けっぱなしでソファーに寝っ転がる馬鹿娘。
幸せそうに涎なんか垂らして、スヤスヤ寝息を立てている。


「電気代がもったいねぇだろーが」とごちりながらリモコンでテレビの電源を落とす。
途端に静かになった部屋に小さな溜息をつくと、むにゃむにゃ寝言を言っている馬鹿娘の隣に腰を落ろした。


無防備な寝顔が近くなった。


「…お前本当に17か?」

露わになっている白いお腹にまた溜息をつく。
いいお歳の小娘は昔と変わんねぇ。
体ばっかり大人になって、女としての意識はガキの頃のまんまらしい。
正直こちらとしてはいい迷惑である。
昔のコイツだったら迷わず服を引っ張って腹を隠してやったけど、今じゃその腹を見るだけでドキドキものだ。
めくれ上がった服に触れるだけでも変に緊張してしまう。

いや、別にやましいことなんてする訳じゃないんだけどね?
なんかなんとなく!


自分に言い訳しながらめくれた寝間着の裾を掴んだが…そこから固まってしまう。


えーっと…これ戻せばいいんだよな?

こっちに…


あ、でもあと少しめくれば……


「………。」


(…って何考えてんだ俺!!!)


ブンブンと首を振って、頭に浮かんできた馬鹿な考えを掻き消した。
最近こういう妄想をする回数が増えてきている気がする。悲しいことに。


どうやら俺はコイツとそういう関係になりたいらしい。

つまり大人の男と女の関係に…


「あんまり油断してっと襲うぞコノヤロー…」



まだそんな勇気はないけれど…



そっと無防備な彼女のおでこに唇を落とした




眠るきみに秘密の愛を



だから無防備なの





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