ゆめ

□ありもしなゐ偶像に恋する
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「ありもしなゐ偶像に恋する」




ただひたすら自分の性器を擦って掻いて刺激する。自慰は好きだった。誰にも被害は無いし、後腐れも無い。

「っふ、う、あ」

自分の欲望のままに、性器だけに限らず乳首や肛門を刺激すれば、それだけ快感が帰ってくる。どんなに強いても自分にしか害は無い。幸せと言うのだろうか。−−なんて浅はかな幸せなのだろう。

「んひ、はっ、はっ…あ」

でも、それでも、誰かを思い出すだけで快感は増すし、背徳感や罪悪感が増す。プラマイゼロ、というやつだ。昔の男を思い出せば未練がましい。友人を思い出せば会うのが気まずい。自慰も、結構大変だ。

「ん、ん、あっ…あっ!」

そんな事を考えていたから、ほら、あの人を思い出してしまった。あの人のごつくて長い指、腰にくる声、あの性器、気持ちいいセックス。もうイきそうだ。

「のぶ、ながさん…っんあぁ!」

会いたい。もう一度。もう一度だけでいいから。








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