ゆめ

□時に世界は暗くなる
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「時に世界は暗くなる」





図書室の隅で寝転んでいると、たまに暗闇を感じる。明かりなどの意味ではない。心の中にある風景の明暗だ。

「…暗い」

こうやって馬鹿みたいに暗闇に囚われる事は、珍しい事ではない。久藤といるようになった最近でも変わらない。この闇は一体、いつまで俺に付き合うのだろうか。

「おはよう」
「……久藤」
「どうしたの?」

上から、久藤が覗き込んできた。それからしゃがみ込み、俺の汗ばんだ額を撫でる。優しくて暖かかった。俺は体を起こして久藤に抱き着いた。

「怖い夢、見た?」
「大丈夫」

ゆっくりとキスをして、また抱き着く。
時に世界は明るくなるのだ。




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