ゆめ

□憎き愛情
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「憎き愛情」
※戦争描写があります
実際の国、出来事、心情には全く関係ないことをご了承なさってから、お読みください。









息が切れる。酸素不足だ。酸欠で頭痛までしてきた。それもこれも全てこいつのせいだ。

「…はは、しぶといね」
「お願いです…もう止めて下さい」
「駄目だよ。こいつは俺に反抗的な目しか見せない。しつけ直さなきゃ」

菊兄が、土下座をしている。僕なんかの為に土下座なんてよして。全てはこいつがいけないんだ。こいつが菊兄に踏み入って、中をグチャグチャに掻き混ぜていって、僕のところの人を何人も殺した。許せない。死んでも、許さない。

「Fuck…you…」
「ぶっ、あはは!!覚えたての英語でよく言えました!俺には赤ちゃん言葉にしか聞こえないけどね!!あははは!!!」

ぱん、と頬を叩かれたかと思えば胸倉を掴まれて床へ何度も叩きつけられた。菊兄の泣き声が聞こえる。ああ、ああ、苦しい、悔しい、憎い。この男が、憎い。

「君が狂うまで、こうして愛情をくれてやるから喜んでくれよ!!その分、本田は守ってあげるから!」
「アルフレッドさん…っ」
「何が悲しいんだい本田。この駄目な弟分は俺が鍛え直してやるんだぞ!あっはっは!」

世界の誰よりも憎い。死ね。死んでしまえ!




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