ユメ

□下手な嘘ばつかり
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「下手な嘘ばつかり」





布団の中で啜り泣く声が聞こえた。

「…どうした?」

めくってみると小さな少年が体を縮めていた。細い肩を震わせて俯せている。泣いているのは彼だ。

「怖い夢でも見たか」
「ううん…なんでも、ない」

なんでもないのならば、何故泣いている。少年の手を引き、布団から出しては膝に乗せて抱きしめてやった。こうしてやるとまだ子供なのだと実感する。

「好きなだけ泣くといい」
「泣いてないもん」

あまりにも下手な嘘に思わず笑ってしまった。可愛らしい。俺は少年をより一層強く抱きしめて、頭を撫でた。そうすれば少年の腕がゆっくりと首に周るのを知っている。ぐす、という鼻をすする音をすぐ近くで聞こえて、少しだけ安心をした。







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