ユメ
□見つからなひ
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「見つからなひ」
寝転がりながら、まるで空に許しを請うように手を伸ばした。
「どうしたの」
佐助が音もなく近寄り、俺の手を握った。こいつにはいつも心配そうな顔をさせてしまう。俺も、全然成長していないなあ。
「な、佐助」
俺は佐助の手を引いた。すると佐助は俺の隣に寝転がってきた。まるで猫みたいだ。
「見つからないなあ」
「…何が?」
佐助を見ると不思議そうな顔をしていて、俺は笑ってやった。それからキスをして、指を絡めた。
「わからない。何がだろう」
「なにそれ」
「知らない」
「先輩ってば、適当なんだから」
頭の中の、この空洞。一体何がいたのだろう。俺には、俺達にはわからない。きっと、一生わからない。