ユメ

□無意識は敵
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「無意識は敵」





ゴクン、と喉を鳴らせる。顎をワインが伝い、それがひどく卑猥に見える。彼が顎をくいっと突き出すので、自分は真っ白なハンカチでそれを拭く。彼の首筋からは甘いにおいがした。

「ふ、顔が赤いぞ」

彼が美しい声で自分に話し掛けた。それだけで夢のようなのに、彼はさらに自分の肩に足を乗せてきた。なんということだろうか。自分のような下僕に、彼はこんなことをやるのか?それならば、なんて罪作りなんだ。

「僕をそんな視線で見るな。顔を隠していても、丸わかりだ。特に、その下半身とかな」
「っ…!」

肩に乗っていないもう片方の足が、自分の股間を踏み付けた。確かに勃起している。自分でも気が付かなかった。

「僕は今、機嫌がいいからな。足くらいは舐めさせてやろうか?ふふ、下僕にはお似合いだろう?」
「…勿体なき、お言葉」

美しき若君に、左腕が疼いた。








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