鋼の錬金術師 小説
□大好きな人
1ページ/29ページ
ヒミツだょ。
別に困らないじゃん?
内緒にしててょ。
だって、今更だろ?
言わないでね。
全部が終わったら、
みんなに話すからさ。
約束だからね。
きっと大丈夫だからさ。
怒るなよ…。
元はと言えば、『書類の不備』なんだから。
たかが
『性別』が間違ってた事ぐらい
どうでもいいさ。
◇◆◇◆大切な人◇◆◇◆
ふわり
ふわり
白い何かが宙を舞う。
ふわり…
柔らかく
儚いそれは、ただ風に乗っている。
「……また一年が終わろうとしてるんだな」
見上げた空には星は見えない。
ただ、白く冷たい物が舞っている世界。
赤いコートが白く変わろうとしていた。
→