ハガレン不動産 小説
□季節はずれの旅行
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I県M市
オレの住んでいる所から車で6時間はかかる遠方に来た。
理由は簡単。
『ねぇ兄さん!ここに行ってみたい!!』
と可愛い弟が言ったから。
‡‡季節はずれの旅行‡‡
「兄さんっ起きて!!」
軽く揺さぶられて目を開けた。
時間は…
AM03:15
トントンッ
ドア越しにロイの顔があった。
「ぉはよ…」
「おはよう」
ドアを開け外に出た。
やっぱり車で寝るのは疲れる。
「昨日からここにいたのかい?」
「ふぁ〜…んだって家に帰んの面倒だし」
早朝の冷えた空気が清々しい。
思いっきりドデカい欠伸と一緒に背筋を伸ばした。
肺に大量の冷たい空気を入れると頭が冴えてくる。
「まったく…無防備もいいとこだなι」
「だってさ、昨日東京から帰ってきたんだぜ。こっちに着いたのだって22時だし。家に帰ってまたここに来るの面倒だ!」
「アルフォンスは?」
「僕は友達の家にいたから、兄さんが迎えに来てくれたんです」
オレは昨日まで研修の為に東京にいたのだ。
旅行の日取りを決めた後、急遽研修が入ったものだから仕方ない。
空港内の駐車場は長期旅行者の為に広々としたスペースがある。
当然、オレ達みたいに待ち合わせ場所になっていたりもする。
「大将〜大丈夫かぁ?起きてる?」
「起きてると思うぅ〜」
他愛もない会話をしているうちにメンバーが揃った。
オレとアル、ロイ、ハボック、ブレタ、フュリー、ヒューズの7人。
ホークアイ部長はデートを優先したらしい。
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