夏目友人帳 小説

□『寝ている俺に近づくな!!』
1ページ/8ページ



……ヒック…



 グス……ッ…


…フ…ェ…


  ……ヒッ…



 スン…グスッ……




「夏目」




……ヒック……ヒック…


  グスッ…




「泣くな。私は、ここに居る」




だから、



夏目…



私のいない



凍えそうな夢の中で



『独り』で





   泣かないでくれ







■■■『寝ている俺に
     近づくな!!』■■■




「Σわぁ!?」



ゴッ!



「〜〜〜〜っぅぅ!!」

「馬鹿ニャンコっ!!」

「な…何をしたと言うんだ!!食うぞ!!」



起き抜け一発目に殴られた!!

しかも手加減なしだ!

何なのだ!?



「うわぁ……なんか臭いそう…最悪だ…」

「?」



だから何だ?

私が何かしたのか?


じと目で睨んでくる夏目から、嫌な気がして毛を逆立てた。



「何で目を覚ましたら、先生の尻がおれの顔にぶつかってんだよっ!!」



夏目が拳骨を振り上げた!


ブンッ!



パンチをさらりと交わす私。



見よ!この華麗な動き★


じゃなかった…

夏目がしきりに顔に付いた…かも…しれない臭いを気にしとるようだ。


「……昨日、先生を風呂に入れて良かったけど…」

「貴志くーん!起きなさ―い!」

「はーい!………ニャンコ先生、覚えておけよ」



塔子に呼ばれて夏目が下に降りて行った。



部屋から出る際にガンを私に飛ばして。



「………たかがケツぐらいで。軟弱者め」



さてはて…


確か昨夜は、


夏目の掛け布団の上で寝てて…


冷えてきて、布団の中にお邪魔して…


夏目の子供体温が暑くなって…


掛け布団から出てきて…


でも、また寒くて…


夏目の後頭部に私の背中をくっつけて…



いつの間にか、


『夏目の顔面に尻を押し付けてた』


というわけか…。



ん?





夏目が寝返りをしたのでは?





「コラー!!夏目っ!私のせいではないぞっ!!謝れぇぇぇ!!」





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ