鋼の錬金術師 小説

□豆の成長日記★
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「遅かったわねハボック少尉」

「はっ!申し訳ございません!捕獲に時間がかかりました」

あれ?

あれ??

儀式的な報告の傍らで金髪のアンテナが左右に揺れている。

「あれ?大佐は?」

縄で雁字搦めにされ強制連行されたエドワードは執務室のいつもと違う雰囲気に戸惑った。

「大佐はセントラルに強制収容されちまって」

「はぁ!?何やらかしたんだよ!!」

「大将ほどの事じゃねぇよ―ってぇ!!」

ホークアイに縄を解く許可が貰えず、暴れられないエドワードはハボックの足を踏んづけた。

「ちゅーいぃ…縄ほどいて」

「ダメよ。エドワード君逃げるでしょ」

「此処まできて…」

「めっ!」

「はぃ…」

ブラックハヤテ号に叱るみたいに怒られてしまっては言い返せない。

「で?大佐は?」

「一応、今日が帰還予定だけど連絡がないの」

「連絡がない?」

「そう。収容されてから一切連絡が途絶えてしまって」

小首を傾げるホークアイに習うようにエドワードも同じ仕草をした。

「まぁ。大佐のことだから大丈夫だと思うけど」

にこやかに微笑むホークアイには心配のかけらもない。

「じゃぁ中尉が大佐の代理?」

軽く頷くホークアイの目が厳しく変わった。

「だからエドワード君を呼んだのは私よ。今年こそ健康診断受けてもらいますから」

「…今年こそ?オレ、始めて聞いたけど?」

「は?大将が断ってたんじゃねぇの?」

やっぱりと呟いてホークアイが思案顔になった。

「大佐が勝手に報告してたって訳ね」

「なに?必ず受けなきゃいけないって事じゃないのかよ?」

「必ずです!!!」

「すみませんっ!」

条件反射的に謝ってから、自分のせいじゃない気がした。


―コンコンッ!


「そろそろ身体測定の時間です」

扉の向こうにいるファルマンが伝言に来た。

「しんたいそくてい…?」

固まったエドワードをよそにハボックが軽々と肩に担いだ。

「ほらっ行くぜ大将」

「ちょっ!まちやがれっー!!身体測定なんか聞いてねぇぞっ!!」

「健康診断の前に身体測定があるのは基本だろ?」

「知らないっ!」

担がれた肩の上で暴れられ、思わず落としてしまった。

それを機に縄を自力でぶち切り脱兎しようとする。

「エドワード君っ!!」

「大将ー!!」





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