ハガレン不動産 小説
□道標
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自治会長の自宅に訪問しようと門を潜った…
―鹿が
こちらを凝視してる!
―オレっ!?なんかした!!
鹿が5頭以上いる…
いや…
そもそも何故に鹿が!?
「誰だー?」
「Σほぇっ!?」
突然、蔵の方からした声にビビった!
「何しったぁ?」
「し…鹿ですか!?」
動物園でしか見たことがない鹿が何で放し飼いになってるんだよ!
テンション上がるだろ!!
「可愛いろー♪」
「かわいい…っうか怖い…。Σあっあの!自治会長さんですか?」
いかんいかん目的が飛んでた…
鹿が此方をまだ見つめている…
あの土地の所有者は、3人変わっている。
始めは村田氏。
先祖代々の大農家。
次は東海林氏。
別の地から来た者。
次が齊藤氏。
今回、うちと契約した人だ。齊藤氏も別の地から来た人で、特にこの地には縁がない。
あの『道標』は村田氏が設置者だ。
今でも花を添えに来る。確かに枯れた花束らしいものがあった。
自治会長曰く、「東海林氏に取られた」らしい。
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