ハガレン不動産 小説

□無音
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今回の会議は一泊!

同エリアの仲間として、親睦を深めるためにと店長達4人が決めたのだ。

所詮『飲み会』な訳だ。

会議に選ばれた場所は、裁判所の競売で落札された旅館で行う。


結構な名のある旅館だったらしいが20年前の話。

築年数は52年。

増改築を繰り返した旅館は迷路のように入り組んでいる。


…お客さんも迷うだろうに……




やっと着いたのは、ちょうどみんなが昼休み中の時。


「すみませんでしたっ!!」

とホークアイ部長に頭を下げるオレ。

「エドワード……私にではないかね?」

「あ?」

ホークアイ部長の隣に立っている男に嫌そうな顔を向けてみた。

他店のみんなのいる前で。


そんなオレの態度にみんな大爆笑★


べつに受けを狙ったわけじゃねぇけどさv


オレから邪険にされたマスタング店長がヒューズ店長からからかわれている。


相変わらず仲がいい。


「で、なんで寝坊したの?エドワード君が珍しいわ」


―深夜に長電話してて…
なんて言い訳にならず…

「あぁ部長。私が悪いのだから責めないで欲しい」

マスタング店長が口をまた挟んだ。

「どういう事でしょうか?」

「昨夜、私が酔っ払ってエドワードに電話してしまってな。すまなかった」

最後の方は、オレの方に向いて言った。

「まったくあなたって人は。エドワード君も断りなさいっ!」

「はい。すみませんでした」



ゴーン…

ゴーン…



「よしっ!午後からは分会だ」


鐘の合図が休憩を終わらせた。

ヒューズ店長の言葉に全員でテーブルを円から5グループに分ける。





会議は順調に何事もなく終わった。




ただオレは…


かなり耳障りだった。



カチ…カカチ…カチ…ガチ…チ…カチ…

カチ…カカチ…カ…………カチ…



さっき鐘がなった時計の秒を刻む時の音がテンポが良くないくせに、分単位では遅れはない。



会議が終わり、

罰として一人片付けを言い渡されたオレは寂しく掃除をしている。


この大部屋は結婚式会場になっていたようだ。


天井も高いし、ステージが二つもある。


カチカチ…カカチ…カチ…ガチ…チ…カチ


…………カチ…カカ…カチ…チ゛……カチ…




さっきから不愉快にさせている時計―


壁掛けの小さな古時計。

煤けていて、動いているのが不思議なぐらい…





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