復活 小説(女性向)
□ヤクソク
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…隼人…お願い…
…泣かないでね…
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「…十代目…」
約束したのに
あなたの望むように
俺は泣いたりしないと
…けれど、貴方のいない世界は
全ての色を失った。
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「明日のミルフィオーレとの会談、本当に護衛をつけないおつもりですか?
相手はあの白蘭です。
…俺が一緒に…
「いいよ、オレひとりで。
そういう約束なんだ。」
俺の提案は受け入れて貰えなかった。
「話し合いなんだから、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。」
そう言って柔らかく微笑むと
俺の頬に顔を寄せて
「ねぇ、隼人…?
…」
「はい。十代目…仰せのままに。」
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ごめんね、隼人…
オレ、嘘ついちゃった…
君だけじゃない、他の皆にも。
皆を守るためには仕方がないと
君を守るためには仕方ないのだと
何度も自分に言い聞かせた。
でも
「これで良かったのか」は、未だに判らない…
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「話は…それで終わりだね…」
雲雀さんはそう言うと伏せていた目を開き、オレに視線を寄越す。
鋭く突き刺すような視線は、10年経っても変わっていない。
「…はい。」
オレは雲雀さんの目を見て返す。
昔は雲雀さんに見られるだけでビクビクしてたけど…
オレも10年で少しは変わったから。
壁にもたれ掛かっていた背を離し、雲雀さんはドアノブに手をかける。
「あぁ、そうだ。
他の守護者には伏せておくんだろ?」
「はい…
…みんなを…巻き込みたくないから…」
「フッ…
草食動物らしい意見だね。」
そう言うと、雲雀さんは執務室から出て行った。