BL

□悪戯
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最近 坊ちゃんが
かまってくれない

せっかく 仕事を早く終わらせたのに 話しかけても返事は うん とか あぁ とか…

本当に 聞いているんですか? 坊ちゃん。
私の話を聞かないなんて 100年早いってヤツです。
これは……
虐めたくなりますね…。


「坊ちゃん。 もぅ お眠りになって下さい。」
「あぁ」

応えてはいるが、坊ちゃんは本に夢中になっている

「坊ちゃん。明日も朝早いのですから、」
「あぁ」

「あ ハミガキ、ちゃんとなさいましたか?」
「うん」

「…昔々あるところに おじいさんとおばあさんが住んで居ました。」
「あぁ」

「そういえば坊ちゃん。おやすみのキスがまだですね」 「あぁ」

「今しても よろしいですか? 坊ちゃん?」
「うん」

「それでは、失礼します。」
「あぁ」

チュッ

「むッッ!?」

可愛いらしいリップ音。
顔を離すと 驚きと怒りが混ざり合った坊ちゃんの顔が 目に入る。
なんて イイ顔でしょう。

「なッ 何をする!!」
「何を言っているんです? 坊ちゃんがイイとおっしゃったのですよ?」
「むぅ ゥ…」

そんな顔をしても ダメですよ。私の勝ちです。
私の話を聞かないから、「明日も 早いのだろう。セバスチャン」 …。このガ…餓鬼!!最初から聞いて やがりましたね?

欠伸をしながら もぞもぞ とベッドに入る坊ちゃんは勝ち誇ったような 見下したような 厭な笑顔で。

「今日は 僕の勝ちだ」
でも、
「いえ、今日も私の勝ちですよ。坊ちゃん」
「!?」

「朝まで付き合ってもらいますよ(黒笑)」
「ひッッ! 嫌だァァァッ!!!」

この日、坊ちゃんは眠れぬ夜を過ごされました。

私は悪魔で坊ちゃんの
恋人 ですから

END

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