他小説

□僕らの憂鬱なハロウィン
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綱→雲←骸。





「今年もきたね、この日が」

「「そうですね」」




僕らの憂鬱なハロウィン



ハロウィン。
それは元々、死者の霊や悪魔や魔女などが現れるのを人間が恐れ、身を守る為に仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いて追い払ってしまおうという日である。

実際もうそんなおとぎ話の様な存在は信じられていない。

しかし本当に存在するのだ。
人間が恐れていた存在が。


「この日に良い思い出がまったくない」

ここはとある学校の応接室。
その応接室をまるで自分たちのアジトのように使っている少年が3人。
そのうちの一人、雲雀はため息を吐く。
何故ハロウィンが憂鬱なのか。
それは、自分が人間に追い払われる対象、だからだ。


「まぁお菓子やるから元気出そう恭弥」

「ん…」


雲雀にキャンディを一つ手渡したもう一人の綱吉の背中には、大きな漆黒の羽根が生えている。


「僕は恭弥から貰いたいです
TrickOrTreat.くれないなら悪戯しますよ」

「ヤだっ」


そしてもう一人、骸がどう見ても鋭すぎる歯(というかもう牙)をちらつかせて、雲雀の首筋に噛み付こうとする。


「もう何百回も聞いたんだけど。
大体この日が出来たのって君のせいじゃないこの吸血鬼野郎」

「そうだよな…お前がむやみやたらに人間襲うからばかみたいに追い払われる日が出来たんだろ」

「しょうがないでしょう、人間の生き血が僕の生きる為に必要なのですから。大体君も人間襲ってたじゃないですか綱吉君」

「お前みたいに貪り食ってないから。それにもう恭弥の魂しかいらないしな」

「僕も恭弥の血以外いりませんし」

「・・・僕の体が持たないよ」

「おや、吸血している時君は快楽しか感じていないじゃないですk「死の魔法で殺す」


彼らの会話は普通ではありえない話ばかりだ。
なぜなら彼らは、普通ではない。


「でも困るな・・・ハロウィンだと羽が隠せねぇ」

「本来の姿に解放されてしまいますからね」


所詮、おとぎ話だと笑われる存在なのだ。
しかし、昔の人間たちは、嘘など付いていなかった。

現に悪魔と吸血鬼と魔女(女じゃないけど)がここに集結しているのだから。


「にしてもその格好は反則だよな恭弥」


悪魔の綱吉は漆黒の羽、吸血鬼の骸は鋭い牙と普段隠していた本来の姿になってしまったが雲雀はというと


「こんなの本来の姿なんかじゃない…!」


黒いニーソックス、同じく黒い魔女っ子帽子、おまけにステッキ(魔法の杖的な)と仮装パーティーというかゴスロリというかとりあえず雲雀にとっては屈辱的な姿になっていた。


「でも初めて出会った時そんな格好じゃなかった?」

「黙れ綱吉」


初めて出会った日。
こんな変態共と出会いたくもなかったけど (なんて言ってもう100年以上一緒にいる)
あの時は親の趣味でこういう格好をさせられていたんだ。
だからってハロウィンにこの格好に戻されるなんて意味が分からない。


「まあすごく似合ってて可愛いから良いんじゃないですか」

「そうだよ恭弥すごく可愛い」

「もぅ・・・」


((うわ真っ赤になってる可愛い…!))

100年以上経った今でも可愛いと言えば顔を真っ赤にし初々しい反応を見せる雲雀にもう二人はベタ惚れだった。


「それにしても可愛いです」

「嗚々、食べてしまいたいくらいだ」

「え、ちょ、何?ダメだよ今は」


二人の瞳は何時の間にか真紅になっている。
これはお腹を空かせている時のサイン。

・・・このままじゃ本当に喰われる。


「毎度の事ですけどハロウィンは喉が乾くんですよ」

「しかも恭弥が美味しそうに見えるんだ」

「こ、来ないでよ…ここ学校だよ?誰か来たら正体バレちゃうし…」


それに恥ずかしすぎる。


「誰も来ませんよ」

「優しくするからさ…」


後ろに逃げながら嫌がる雲雀に、容赦なく近づく。

もう血も魂も全部奪われそう。



「だからハロウィンは大っ嫌いなんだ!」


「「いただきます」」









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・・・誰得ですかこの話。←

タイトル僕らの憂鬱なっていうより僕のじゃないこれ・・・。

悪魔と吸血鬼に気に入られちゃった魔女っ子雲雀。
魔法使いなのできっと人間よりは魂も血もたっくさんあると思うんだ…だから大丈夫…!((何が

ハロウィンな雰囲気だそうと思ったら3人とも人間じゃなくなってました。
連載とかでやったら面白そうな設定だなぁ。

綱&骸でヒバリサンド大好きです・・・!



                

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