-Novel-

□アイドルの危機
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「え、もう歌えない?」

レコード会社に勤める若手の男性、佐藤君が声を張り上げた。

「それって、一体どういう事ですか?」

僕は、今10代にとても人気のある新人歌手で歌って踊れる、トークまでこなすアイドルのマネージャーだ。

佐藤君が放った言葉に、顔を顰めた。

確かに先週の打ち合わせの段階では、明後日が彼女にとっての二回目のライブだったのだ。

佐藤君が続けて質問をする。

「ついこの前だって、小さなスタジオで歌ったじゃないですか!それも凄い人気で・・・会場は溢れかえってましたよ?」

「あ、あぁ、そうだったな。」
僕は俯いて答えた。

そうなのだ。
ついこの前まで普通に歌っていたのだ。
ファンクラブが出来るほど絶大な人気で、全てが順調だった。


「病気、とかですか?」

佐藤君が放った言葉に、つい息を詰まらせた。
痛いところを突かれた気分だ。

「やっぱり、そうなんですか?」

僕は暫く黙り込んで、そっと口を開いた。



「まぁ、病気といえば、病気、かもしれんな。」


comming soon...

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