へたれ小説

□報酬(第3話)
1ページ/4ページ

アルティーノに嫌みを言った日の数日後、アイスマンは基地の中の部屋にいた。
「もしもし、…アイスマンだが。」
「ああアイスマンか。依頼であるグレイドバラン壊滅は遂行したみたいだな。」
「そうだ。もうスカルホーネットは解散だ。いつ戻ればいいんだ?次の依頼はまだなのか?」
「いや、君もわかっているだろう。グレイドバラン壊滅の後に支持者の情勢が険しいから少し待った方がよいだろう。休暇を取りなさい。」
「俺は休暇なんぞいらん。次の依頼は無いのか!」
「ないよ」
「…………………………………」


チッ…こんな時に限って依頼無しかよ…
早くここから出たいもんだ…
アイスマンは旧政府に連絡を取った後、部屋で寝ころんでいた。

「……ジーノ……お前が死にかけるんじゃあなくて……オレが……………いや…何考えているんだ…」

アイスマンは思い出した。
1日前、ジーノが意識を戻したようだ。
ベルティアナは涙を流し喜んでいた。
だが意識を戻したと言ってもまだ安心は出来ない状態である。

「ジーノ……どうか…死なないで……」
彼女はジーノとの面会を終えた後、廊下で呟いていた。


俺がジーノと同じように意識不明の重体になっても
誰も悲しまないだろうな…


「仕事の依頼だよ。アイスマン。」
「アイスマン。君を頼りにしているよ。」
「ほら…あの人…報酬の為なら何でもする…」
「ああいう奴は家族もいないんだろうな」
「お金で態度変えやがって!貴様は悪魔だ!死神だ!」
「あいつが死んだら…報酬を安くして他の奴にまた依頼すればいいわけだし。」
「あいつはお金さえ払えば何でもやるよ。殺人でも。裏切りでも。」

任務を遂行する時、誰もかもが「任務よろしく。頑張って」の程度しか言わない。
まあ人間というより駒と思っているんだろうな。
傭兵なんてそんな程度のものさ…まあ俺が選んだ道だ。
文句は言わんよ。


アイスマンの部屋にノックが響き渡った。
「誰だ?」

オリシスだった。何故呼んだかというと…

「2ヶ月ほど前に応募した遊園地のペアチケットが当たったようでな。家が不在だから連絡があって、先程郵便局に行って来たんじゃ。」
ジーノ以外の俺達が集まっている状態でシュナイダー爺さんが言った。
どうやら遊園地のペアチケットを入手したらしく、誰か行かないかとの事。
「爺さんが当てたんだから爺さんが行けよ。」
俺は爺さんに言った。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ