へたれ小説
□報酬(最終話)
1ページ/4ページ
「アイスマン。待ちくたびれていたようだね。」
「ああ。」
依頼の内容を簡単に聞いた俺は早速依頼人である旧政府の男についていった。
「そうだアイスマン。何日か前に電話していた時に一緒にいた女性はどうしたんだい?」
「あーアレはなぁ……俺にはもう関係ない話だ。」
「本当にそう思っているのかね?」
俺は目を疑った。
依頼人の少し離れたところにあいつらがいた。
ジーノ
ベルティアナ
シュナイダーの爺さん
オリシス
ワイズメル中尉
……そして……アルティーノが……
「アイスマン。君は今まで依頼先の軍や組織の人とあんまり親しいようにしなかった筈だが
………今回はそうでもないようだね」
「まだ時間はある。彼らの所に行って挨拶してきなさい。」
「お前ら…」
「話はアルティーノに聞いたわよ。一時期だったとしてもあなたはスカルホーネットの隊員なのよ。
隊員が卒業するのを送るのは当たり前じゃない?」
最初にベルティアナが俺に話しかけた。
相変わらずひねくれた女だ。
だが、こいつが居なければスカルホーネットをうまくまとめる奴がいなかっただろうな…
「アイスマン。グレイドバランを倒したみたいだな。俺の代わりに戦ってくれてありがとう。」
「ああ。手柄は俺のものになってしまったが…あとお前なぁ…。もっと落ち着けよ。俺みたいにクールにニヒルに生きろよ。」
まだ傷が完全に癒えないジーノは車椅子に座って移動していた。
大変だろうに…わざわざ俺なんかの為に…
「アイスマン。今回の任務に協力してくれてありがとう。感謝する。」
「ワイズメル中尉…こちらこそ色々迷惑かけたが…」
「アイスマン。ワシより先に死ぬんじゃないぞ!」
「ああ爺さん。わかってるって。」
相変わらずシュナイダーの爺さんは元気だな。
こいつは相当長生きしそうだ。うかうかしてられん。
「アイスマン。私は君を永遠の友と呼ぶだろう。」
「はいはい。」
オリシスも相変わらずな奴だ。
マイペースな所を見ると、将来大物になるかもしれんが。
「アルティーノ…ほら…アイスマンに何か言いたいんでしょ。」
「…………」
アルティーノは何故か赤くなっていた。
ああ…あの夜の事を思い出したんだろうな……………。
あれは…お前からじゃないか
まあ…俺も…だけどな…
俺も時間がない。
「じゃあ。そろそろ俺は行くぞ。また会えたらいいな。」