宝物部屋

□君を俺だけのモノにする為に
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そもそも今日は厄日だったのだ。



朝はいつも同じ時刻に起こしてくれる筈の目覚まし時計が夜中の2時で電池切れになっていただとか。
慌てて準備しようとしていたら箪笥の角に足をぶつけただとか。


学校に着いてからも結局職員会議に遅れて理事長の侑子先生から一週間朝の職員室掃除の刑を言い渡された。
そんなわけだからお昼の弁当ももちろん作れなくて黒様と一緒に学食に行ったら財布を忘れたことに食券販売機の前で気が付いた。


午後の授業で実験をしていた時もうっかりバーナーで薬品を熱し過ぎてフラスコを割ってしまい指を切ってしまったり、本当に散々だ。


思いの外に深く切った指を治療する為に放課後保健室に向かうと校医の星史郎先生が居た。
星史郎先生はちょっと苦手だけど利き手の指を怪我していたので大人しく治療を受けていたのだが、いつの間にか関係のない腰やらお尻やら太股なんかを触られていた。
セクハラですよー、とやんわり逃げようとしたら突然腕を引っ張られて抱き締められてしまった。
まずいと思った時にはもう吐息が聞こえてくる程星史郎先生の顔は近付いていて。
嫌だ!と叫ぶより保健室の扉が開く音が聞こえ…。



「何してやがる」




星史郎先生の顔の向こう側に鬼のような形相をした黒様が立っていた。




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