短編【HP】

□大好きな匂い
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うぇー……
薬草学の実験で失敗したー……
なんかローブに変な匂いが移ったし……!
最悪……っ

ぷんぷんと嫌な匂いを放って歩く私をスリザリン生が笑っていく。
むっ……
なによ、スリザリン生!
本当にグリフィンドールには敵意むき出しなんだから……!
……まあ、私の好きな人がいるからあんまり言えないけどっ

そうこう考えていると誰かにぶつかってしまった。
前を見るとスリザリン生の服。


「もうっ、ちゃんと見ててよね……あ、れ……?」

「何か文句があるのか。ウィーン。……なんだ? お前、変な匂いするぞ」

「ド……ドラコー!」

「っうわ?!」


思わず持っていた教科書を放り投げてドラコに抱きつくとドラコは後ろに倒れそうになった。
しかし、なんとか持ちこたえた。
ドラコの匂い……
落ち着くなぁ……


「あー……生き返る……」

「何がだ! 離せ!」


私を離そうとするドラコに私はしがみつく。


「おいっ……匂いがうつるだろう!」

「やだ! ドラコの匂い、好きなんだもん。うつってもドラコと一緒だから気にしないっ」


顔を上げるとドラコの顔は真っ赤で。
最後には私を抱き上げて歩き出した。
真っ赤な顔のまま一言だけ残して。





「勝手にしろっ」





(えへへー、なんだかんだ言ってドラコ優しいよね)

(へらへらするな馬鹿、あとあんなところで恥ずかしいことはするな!)

(えへへー、ところで何処へ?)

(寮に決まってるだろう、まだマシだ)

(ありがとうっ、大好き!)

(だから恥ずかしいことを言うなっ……)

 

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