短編【HP】

□褒めて!
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「んぐあああ! リーマスー!」
「わ、また君は……どうしたんだい」

ぴょん、とリーマスの背中に飛びつくとリーマスはなんとか持ちこたえてくれた。
だってだって、嬉しくてもうリーマスに言うしかないって思ったらホグワーツ中駆け回っちゃった!
リーマスにしっかり抱きつきながら、頭をぐりぐりと押し付けて奇声を上げる。
しばらくそのままにしてくれたけど、さすがに周りが気にするからかリーマスは隙を見て私を引き離した。
それでも笑っている私の顔を見たリーマスの顔ったら!
可愛い!

「えへへえへへ」
「本当にどうしたんだい?」
「あのね、実は……テストで満点を取り、薬学でも最高評価、呪文も一度も間違えなくて、さらにさらに! 遅刻も一回もなくて眠気も襲ってきませんでした!」
「すごいじゃないか、君にしてはがんばったね」

リーマスの柔らかい手が私の頭を何度も撫でる。
今までの失敗続きまで癒されるようで、泣きたいくらい嬉しい。
もっと褒めてもっと慰めて、と言うと「犬みたいだね」なんて言われながらも撫でてくれる。
「頑張ったね」「よかったね」「これからも頑張らなきゃね」
一つ一つがじんわりと胸に染み込んできて今度は正面からリーマスを抱きしめる。
あー、幸せ!

「ありがとうリーマス! 私、リーマスのおかげで頑張れた!」
「そっかそっか、役に立てて良かったよ」
「本当にありがとう、リーマス。私、リーマスのためならどこでも駆けつけてあげるくらい感謝してる」
「それはごめんだね」

いつもなら落ち込むけど今は平気だ。
だって幸せだもの。
そうやってぐだぐだしていると、無理矢理剥がされた。
もうちょっと幸せを噛み締めたい。
けどリーマスの意味深い笑顔を見て諦める。
ローブの中に仕込ませた手を見逃さないぞ、リーマス。

「ちぇー、たまにはいいじゃない」
「駄目だよ。僕は色々とあれだし」
「あれってなに」
「ちょっと言えないこと」
「えー」
「君を傷つけたらって怖いんだよ」

リーマスの切なそうな顔と普段は言わないような言葉に思わず胸が高鳴る。
感極まってまた抱きつこうとするとリーマスに制される。
どこかで聞いたような台詞な気がするけど、気にならないくらい私は幸せだ。
何度言ったかわからないけど、幸せだ。

「ごめんね、私もリーマスを傷つけないように頑張る!」
「それってちょっと違うよね」







リーマスに癒された一日でした。







(ジェームズの真似してみたら予想以上の効果だなあ……)
(リーマスってほんとにいい友達だなあ……)



あの状況で!!!受かりました!!!!
やっふうううううううううう
リーマス褒めて慰めて!!

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