いち

□気になるあのコ
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お家に連れて帰って、可愛いお洋服に着せ替えてあげる。
あのコの身体にちょうどいいサイズのクッキーを焼いてあげる。

頬杖をつきながらそんなことを考えていたら、ホラ、窓の外を見て!
今日もあのコが来た!

カラン、と鈴が鳴ってあのコはいつも携えている友達と店の中に入ってきた。

「いつもの頼むよ。」

注文を受けた私はその偉そうな口調に舞い上がるの。




ああ、何て可愛いのかしら!
いつもの様に薄暗いカウンターからあのコを眺める。

(アイツさ、いつもマーモンのこと見てね?)

あ、金髪のお友達が何か言ってる。

(それは僕も気になってたんだ。)

二人がずんずん近付いてきて、私目の前のカウンター席を陣取った。

「君、何だい?ずっと見られてちゃ気になってこの飲み物も不味くなるね。そんなにこの体が珍しいかい?」

目の前で挑発的に喋るあのコ。

生意気で可愛い…

その上、ふるふると動くほっぺたがとても愛らしくて、思わず触りたい衝動に駈られる。
私はその気持ちをぐっと堪えて言葉を返したの。





「す き で す」





一瞬二人は面食らったような表情をしていたけれど。

金髪のお友達が我に帰ってこう言ったの。

「オイ、マーモン、告白されてるぜ。ししっ。」

ふーん、マーモンって名前なんだ。

「そ、それなら早く言えばいいのに。」

そう言って照れ隠しをするマーモンちゃん。

「まさかマーモンを好きになるヤツがいるなんてなぁ…まさかお前、ショタコン?」

金髪のお友達がそう呟くと、マーモンちゃんはうるさいよ、と照れた様に怒った。

あれ、何か勘違いされてる…?

マーモンちゃんは可愛くて大好きだけど、残念ながら異性として意識したことは全くないの。
男の子だなんて知らなかったし。

でも、

「返事、少し待ってもらえる?またくるよ」

そう言って去っていったマーモンちゃんと金髪のお友達の背中を見つめながらまぁいっかなんて考えている私は、きっと満更でもないのかも。






(おしまい)

まさかのまもたん。

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