三成×左近・孫策×左近 お話
□桜の木の下で
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今日の左近は機嫌が良かった。三成と他の家臣3人と共に馬に乗り領内の視察に同行させて貰えて。
春爛漫の桜の花が咲く季節、天気も良くて頬を撫でる風も心地よい。
三成の隣に馬を並べ。
「殿。いい天気ですねぇ。桜があんなに綺麗に咲いてますよ。」
「春が来れば桜も咲くだろう。当然の事だ。」
「しかしですよ。桜の季節は短いんです。あっという間に咲いてあっという間に散る。男たるもの散り際はああ、ありたいものですな。」
三成は不機嫌に。
「俺を置いて勝手に散るな。お前は俺の妻だろう。」
「妻であると同時に家臣でもあるんです。殿の為なら左近はこの命いくらでも散らしますよ。」
三成は馬に鞭をくれるといきなり走り出した。
「殿っ。」
慌てて左近を始め家臣3人は馬を走らせ三成の後を追う。
しばらく三成は馬を走らせていたが、大きな桜の木が数本、満開の場所まで来ると馬を急に止めて。左近達に向かい。
「ここで休もうではないか。」
そう言って馬を降りて行くのに、左近達も馬を降り辺りを見渡せば、この場を囲むように桜の花が鮮やかに咲き乱れて。
家臣達が辺りを眺めながら口々に。
「見事な桜ですなぁ…」
左近も桜の木の下で腰を下ろした三成に近づき隣に腰を下ろして。
「花見っていうのもいいもんですねぇ。ここに酒があれば最高なんですが。」
三成は他の家臣3人に向かって。
「お前達は見張ってろ。俺は左近とやる事がある。」
左近は三成の言葉に目を見開いて。
「やる事って…」
「左近、主の命だ。桜の木の幹に縋って尻を出せ。」
三成の命令に左近は首を振り。
「嫌です。こんな明るい外での伽は嫌です。」
「嫌がるのなら無理矢理にでもするぞ。」
「皆が見ているじゃありませんかっ。」
3人の家臣は二人のやりとりに目を白黒させていて。
三成は左近の右手首をぐいっと掴むと、後ろにひねり上げて、左近は痛みに悲鳴を上げる。
「お前が俺の妻だという事は皆、知っている。」
「それでも左近は…人前で皆に見られるのは嫌ですよ。」
「なら、勝手にしろ。」