幸村×趙雲 お話2

□赤い糸2
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幸村は龍神である趙雲と不思議な場所で無理矢理赤い糸を結び、それは困ると訪ねてきた趙雲と身体を繋げてしまった。
趙雲は人の精を受けた事により、力が弱るらしく山に帰れなくなってしまって…

昼過ぎに布団で目覚めてみれば、趙雲は隣におらず、あれは夢だったのかと幸村が廊下に出てみれば、昨日の雨が嘘のように晴れ渡り、外はいい天気で蝉がけたたましく鳴いている。
暑い日差しの中、趙雲がぼんやりと庭に立って空を見上げていた。
どのくらい、彼はそうしていたのだろう。
乱れた夜着姿のままで、暑さのせいで汗が肌から流れ落ちて。

幸村は裸足のまま庭に飛び出ると趙雲を背後から抱き締めて。
「死にたいのですかっ。このような暑い中、何をしておいでです?」
「空を見ていた…ただ…空を…」

幸村は趙雲の手を無理矢理引っ張って、部屋に連れ帰れば、趙雲の身体は凄い熱を帯びており、そのまま畳に倒れ込んで。
慌てて幸村は水を汲んだ桶を持ってきて、手拭いを濡らし趙雲の額を、脇の下を冷やす。
趙雲に汲んできた水を飲ませれば趙雲は力なく僅かに水を飲んで。

幸村は趙雲の頬の汗を手拭いで拭いでやりながら。
「貴方がこんなに苦しむだなんて。私が赤い糸を結んだから…無理矢理身体を繋げたからいけなかったのですね。」
「ただ、山が懐かしくて…もう帰れないと思うと辛くて…」
「貴方が望むなら連れていってあげます。」
「幸村殿…」
「水浴びをしていた貴方は生き生きとして綺麗だった。あの滝へ連れて行ってあげますから。だからそんなに悲しまないで下さい。趙雲殿が悲しいと私も悲しいです。」

「あの山はとても遠いい。ここから人の足で行くには何日もかかる。」
趙雲の辛そうな言葉に幸村は。
「背負ってでも連れていきます。趙雲殿の為なら私は何でもしてあげたい。」

趙雲は涙をポロリと流し。
「優しいな。幸村殿は…人とはこのように優しかったのか…」
幸村は首を振り。
「私は無理矢理、趙雲殿に精を注いだ男です。優しくなどありません。」
趙雲が幸村に向かって手を伸ばす。
幸村はその手を握り締めて。
「趙雲殿。夕刻になったら、大きな桶を用意しますから水浴び致しませんか?生憎、この辺りは綺麗な川とか無くて…」
趙雲は嬉しそうに。
「ありがとう…そうさせて貰おう。」

趙雲が眠ってしまったので、幸村ははたと思案に暮れた。
「そういえば、龍神って何を食べるのだろう??」
解らなかったので、身体が弱っているので食べやすいように野菜を入れた粥を用意し、趙雲の所へ持ってくる。
「趙雲殿…眠ってかまいませんから。何かお腹に入れてから眠ってくれませんか?」
「ああ…いい匂いがする。」
「人の食べる物ですが…食べられますか?」

趙雲は身を起こすと幸村から粥の椀を受け取って。
「肉や魚は食さぬが、このような物は喜んで…」
匙で口に運び、趙雲は粥を飲み込んで。
「美味しい。」
「良かったです。」


幸村は嬉しかった。
趙雲が喜ぶ事を沢山してあげたい。
もっともっと沢山…沢山…


夕方頃、涼しくなったので、庭に大きな桶を用意して井戸水を張り、趙雲を水浴びさせてあげた。
趙雲は素っ裸になるのが恥ずかしかったのか、夜着を着たまま桶に入り、髪を冷たい水で洗い、嬉しそうで。
そこへ左近がふらりと訪ねて来た。

水浴びをしている趙雲を見て驚いたように。

「赤い糸って恐ろしいもんですねぇ。この人、あの時の龍神さんじゃ…」
幸村は趙雲に小さな桶で水をかけてやりながら。
「ええ…私を訪ねて来てくれたのです。傍に居て欲しかったから精を注いで…私の物に…」
趙雲も驚いたように左近を見つめていたが、幸村が。
「大丈夫。私の知り合いです。」
安堵したように左近に向かって趙雲は。
「幸村殿は優しいのです。私を山に連れていってくれるって…背負っても連れて行って下さると…こうして水浴びもさせてくれて…久しぶりに人の優しさに触れて私は嬉しくて。」

左近は両腕を組みながら。
「人と神の赤い糸は不幸な事になる…そう住職は言っていましたがねぇ。そこの所、どう思うんです?龍神さん。」
趙雲は俯いて。
「私も困る…そう思いました。幸村殿は人だ。おなごを妻に持ち、子を為し暮らすのが人としての幸せだと。私と縁を結んでも何も生まれない…ただ傍に居る事しか出来ない。」
幸村は趙雲の前に回って身を屈め真剣な口調で。
「それでもかまわない。傍に居て欲しいのです。」
「人としても役に立たないのだぞ?私は…人の精を受けると身体が弱ってしまって…身を動かすのも辛くて。それでもかまわぬと言うのか?」
幸村は趙雲の手を強く両手で握り締めて。
「申し訳ございませんっ。趙雲殿は空を飛べなくて、山に帰れなくて辛いでしょう。でも私は…傍に居て欲しいのです。離れたくない。」

「怖い…怖いのだ…人に溺れる事が怖い…」

瞼を瞑り、辛そうに呟く趙雲に顔を近づけて、そっとその唇に口づけする幸村。
ゆっくりと顔を離して趙雲の顔を見つめながら。
「怖くありませんから…趙雲殿…貴方を不幸になんてしません。幸せにしますから…」

左近はため息をついて。
「見せつけられちまいましたねぇ。でも幸村…ずっと龍神さんと共には居られませんぜ。俺達はいつ戦場に駆り出されるか解らぬ身。幸村とて志があるでしょ?まぁ男と生まれたからには、おなごを嫁に貰い子を為したとしても同じですがね。左近は帰ります。ちょいと様子を見に来ただけなんで。」
そう言うと左近は身を翻し帰ってしまった。

幸村は左近を見送ると趙雲に。
「ええ…いつか私は男として志の為に戦うかもしれません。でも今は貴方と共に居たい…父上に許可を貰いましょう。あの山へ行きませんか?日はかかってしまいますが、貴方を連れて行くと約束したのですから。」
「いいのか?幸村殿。」
「ええ…今は自由の利く身ですので。」

父の昌幸に幸村は旅の許可を貰い、翌朝、趙雲を自分の馬に乗せて、趙雲と出会ったあの山の滝を目指して出発した。

何日もかかる道のりだが、赤の鎧姿の幸村は趙雲を馬の前に乗せて楽しげで。しかし趙雲を気遣って。
「辛くはありませんか?痛みがあるでしょう?」
夕べは趙雲が痛そうだったので、趙雲を抱き締めたまま何もせず眠った幸村だった。
「あまり長く乗っていると、身が辛いが大丈夫…」
「ゆっくりと参りましょう。休みながら。」

少しずつ馬で行きつつ、時々、馬から降りて道端の木の根本とかで座って休んだりする。
白の衣を纏った趙雲に自分より先に水を飲ませたり、持ってきた握り飯を食べさせたり、幸村は甲斐甲斐しく世話をして。
趙雲が水を飲み、握り飯を食べながら。
「私を気遣うより、幸村殿も食べたら…」
「ええ。私も食べさせて貰います。ああ…汗が…」
手拭いに水を垂らして、趙雲の額の汗を拭く幸村。

蝉の声が二人の耳に響いて。
暑さはまだまだ厳しいけれど。幸村は竹筒の水を飲んでから、幸せそうに趙雲を見つめ。
「私はこの旅を忘れません。こうして好きな方と旅が出来るなんて…幸村は幸せ者です。」
「まるで最後のような言い方だな。」
「趙雲殿…ずっと傍に居て欲しい…そう思っております。でも…貴方に取って山が暮らしやすいと言うのなら…私が貴方の幸せを奪っているのなら…このまま山にお返ししたい。」

幸村は言葉を続ける。
「滝での貴方は綺麗でした…水を浴びている貴方は本当に幸せそうで…私の我が儘で貴方を傍に置いておく事等出来ません。」
「山に行くのはやめよう…」
「趙雲殿?」

趙雲はふらふらと立ち上がる。
「私は山に帰りたい…でもそれ以上に幸村殿と別れたくない。今宵、どこかに泊まってそれから帰ろう。」
「趙雲殿…いいのですか?」
「私が決めたことだ。人と神と結ばれると不幸になる。でも…それでも私は離れる事が出来ない。」

幸村は趙雲を抱き締めた。
趙雲の言葉が嬉しくて嬉しくて。

「ああ…嬉しいです。私は幸せ者です。」
「幸村殿。不幸なんかじゃない。私も幸せだ。」

しばらく抱き締め合っていたが、幸村が趙雲に。
「もう少し、行ったら街に出ます。色々珍しい物もみられるでしょう。」
「楽しみだ…」

二人は馬に乗り、街に出ると、のんびりと町並みを見ながら楽しんで。
馬から趙雲を下ろすと一軒の店に入る。
そこには綺麗な菓子が売っていて。

冷えた茶と一緒に店先で涼しげな菓子を二人で楽しむ。

幸村が趙雲に。
「透明で綺麗な菓子でしょう…」
「ああ、甘いのだな。」
「このような物を食べて大丈夫ですか?」
「美味しい…山ではろくな物を食べて来なかったから…それでも山を捨てる事が出来なかった。人は怖い…でも…幸村殿と一緒なら怖くはない。」
「趙雲殿。」

趙雲は急に身を震わせ始めた。
「何だかこちらを見ているような気がする。あの男もあの女も…」
「趙雲殿があまりにも綺麗だから見とれているのです。きっと。」
「違う。私が龍神だと知って、捕まえようとしているのだ。ああ…やはり怖い…幸村殿となら怖くないと思えたのに。」

趙雲が怖がるので、幸村は。
「早く宿に参りましょう。そこなら人目に付かない。安心出来ますから。」

勘定を店に払うと、趙雲を自分の前に馬に乗せて、宿を探す幸村。

趙雲の見かけは人そのものだ。
だから見ただけでは龍神かどうかなんて解らない。

解らないはずなのに…趙雲は異常におびえる。
余程、辛い目に合ったのだろう。

街の外れに小さな宿を見つけて。交渉をし、二人はそこに泊まる事にして。
目立たぬ奥の部屋に趙雲を連れて行けば、趙雲は初めて安堵したように息を吐き。
「私のせいですまない。人に追いかけ回された事を思い出したものだから…」
「謝る必要などありません。疲れたでしょう。布団を敷きますので横になって休まれては…夕食の時になったら起こしてあげますので。」

浴衣に着替えさせて趙雲を布団に寝かせる幸村。
幸村も浴衣に着替えるも、得物の槍は壁に立てかけておき。
「誰かが来たら、これで追い払って差し上げますから…安心して眠って下さい。」
趙雲は頷いて瞼を瞑ったようだった。
慣れぬ馬の旅で疲れたのであろう。

日が傾いて夕陽が趙雲の寝顔を照らすその部屋で幸村はただただ趙雲の寝顔を見つめていた。
その整った寝顔は本当に綺麗で。
このまま夕陽に溶けて消えてしまうのでは無いかと…

そう彼は龍神なのだ。
不安に思えた幸村は趙雲と同じ布団に潜り込んで、その身を抱き締めた。
「傍に居て下さい…ずっと私の傍に…」

下半身に熱が集まる。
幸村は眠る趙雲の唇に乱暴に口づけると、一気にその浴衣を剥いで。
その右の乳首にも口づけてちゅぅっと強く吸い上げれば、趙雲は目を覚まして、ビクンと身を震わせて。
「幸村殿…」
「趙雲殿が欲しい…欲しいのです。」
趙雲は幸村の頬を優しく撫でて。
「私も幸村殿が欲しい…」
「ああ…趙雲殿っ。」

逞しく勃ち上がった一物を浴衣を脱ぎ、褌を取り、さらけ出す幸村。
趙雲も浴衣をまくり上げられ、下帯を取られ全裸にされれば、恥ずかしげに足を閉じて。

趙雲の裸は美しかった。
夕陽に照らされて、赤く色づき、本当に綺麗で。

幸村はゴクリと唾を飲み込む。
趙雲の閉じている両足を押し開こうとすれば、趙雲は恥ずかしげに目の上に手の甲を乗せて。

「まだ、傷が治っていないのだ。」
「優しくしますから…」

足を押し開き、秘められた蕾を露わにする。
幸村は優しくすると言ったものの、自らの一物はもう、痛い程に勃ち上がっていて…とてもじゃないけど、余裕も無く。

趙雲の蕾に一物の先を押し当てながら。
「ああ…我慢できませんっ…趙雲殿っ…」
ズズズと慣らしもしない蕾に一物を押し入れて…趙雲は痛みに悲鳴を上げる。

「ああっ…痛いっ…いやっ…お願いだから抜いてっ…」
「我慢出来ないのです…ああっ…趙雲殿の中は熱い…」

趙雲は痛みから逃れようと、暴れる。
暴れる物だから蕾は傷つき、血を流して。
幸村はそんな趙雲を強く押さえつけながら。

「そんなに暴れるともっと傷ついてしまいますっ…」
「ああっ…ああ…うっ…」

趙雲は暴れるのをやめて涙を流して泣き始めた。
「うあああっ…嫌だっ…いやっ…」
「そんなに泣かないで。私が悪いのです…お願いですから…」

幸村の一物は勢いを無くして…ズルリと一物を抜けば、血が趙雲の蕾から零れる。
泣き続ける趙雲に幸村は困ったように。

「私は貴方を泣かせてばかり…この間も貴方を泣かせてしまった。」
趙雲は涙を拭きながら。
「私が不慣れだから…もっと慣れていたら、幸村殿と上手く繋がる事が出来たのに。」

幸村は赤くなりながら。
「私は早いと…その…良く昔から言われて…感じやすいらしくて。」
「早い…感じやすい…」

趙雲も赤くなりながら。
「そ、そのような身体ではさぞかしその…喜ばれたのであろうな。おなごはともかく男から…」
「からかわないで下さい。気にしているのですから…」

趙雲は幸村の身体を抱き寄せて。
「ゆっくりと繋がって行こう。互いに気持ちよくなれるように…」
「趙雲殿…」

趙雲の言葉が嬉しかった。
幸村は趙雲の唇に唇を寄せ、そっと口づけして。
「ありがとうございます。私も頑張ってみます。趙雲殿が気持ちよくなれるように…」
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