幸村×趙雲 お話

□赤い月5
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幸村殿に何かあったのではないだろうか…

座敷牢の中から白い夜着姿のまま、立ち上がり天窓を見上げれば、外は雪が降っているのが確認されて。

幸村はここ2日ばかり姿を見せなかった。

食事を運んでくる真田家の家臣に聞いても教えてくれなくて。

囚われの身で無ければ、真っ先に探しに行くのに。

留守にするともなんとも幸村は言ってはいなかった。何かあったに違いない。

更に2日程経っても幸村は帰って来なくって。

代わりに島左近が訪ねて来た。

「久しぶりですねぇ。趙雲さん。」

座敷牢の外から左近が声をかける。趙雲は真剣な面持ちで牢の格子を掴みながら。

「幸村殿を知りませんか…ここ4日ばかり姿を見せないのです。」

「幸村なら佐和山の城に居ますよ。」

左近は自分の肩や胸元にかかった雪を払いながら、牢の格子越しに趙雲の前に正座をして。

「ただ、もう趙雲さんに会わせる顔がないって言っておりましてね。」

「幸村殿に何かあったのですね…」

趙雲は立ち上がると左近に向かって。

「私を幸村殿に会わせて下さい。」

「趙雲さん。」

「私は何があっても幸村殿の傍に居ると誓ったのです。だからこの牢の中で囚われの身で過ごして参りました。幸村殿に会わせて下さい。お願いですから。」

「解りました。俺もそのつもりで迎えに来たんですよ。さぁ行きましょう。」

雪が降りしきる中、身支度を調え左近と共に佐和山の城に向かう趙雲。

心配だった。だだひたすら幸村の身が心配だった…

城に着き左近に連れられて幸村が居るという部屋に行くと、幸村は白の夜着姿で一人寝ていたようで。目を開けて趙雲の姿を認めると慌てたように布団に潜り込んで。

「趙雲殿…来て下さったんですね。」

「幸村殿…顔を隠して…何があったのだ?」

「私は…もう…」

「もしかして前田慶次に?」

趙雲が口にした人物に幸村は消え入りそうな声で。

「油断したのです…もう趙雲殿に会わせる顔がありませんっ。」

趙雲は布団をはがし幸村の顔を真っ正面から見つめ。

「私の顔を見るがいい。私を伴侶にしてくれたのでは無かったのか?これから私は慶次殿を斬って来る。大切な幸村殿を傷つけた慶次殿を許しはしない。」

「趙雲殿…返り討ちに遭います。前田慶次の強さはご存知でしょう?赤い月…赤い月であることは間違っていますね。自分が同様な目にあっていかに趙雲殿が辛かったか…解りました。」

「間違ってはいない。私は幸村殿に捕らわれて幸せだった。もう傍にいてはくれぬのか?私を捕らえていては下さらぬのか?」

幸村は趙雲を抱き締めて。

「ああ、趙雲殿…貴方が好きです…好きですっ…申し訳ございませんっ。ごめんなさい…。」

泣く幸村の背を優しく撫でる趙雲。

左近がその様子を廊下から眺めていて。

「趙雲さん。前田慶次は確かに強い。ここで貴方が返り討ちに遭ったら…やめておいたほうがいい。」

「しかしっ。左近殿。男として私は…」

「牢に閉じこめられていたんですよね。その腕で槍が振るえますか…鍛えなければ筋力が落ちる。嫌って言う程、懲りておりますんでね。俺も。」

趙雲は幸村を優しく布団に寝かせると、拳を握り締め俯いた。

確かに左近の言う通り、この身体では前田慶次と戦うのは無理であろう。

その夜は趙雲も佐和山の城に泊めて貰うことにした。夜着を借り幸村と添い寝をしてあげて。

幸村の手首を見てみれば痣が出来ており、身体の至る所に噛みつかれたのか、歯形や強く吸った跡などがついていたりして。

趙雲は幸村の首筋についていた赤黒い跡を指でなぞりながら。

「ああ…私は…どうしよもなく…」

「どうしよもなく何なのですか?」

「ヤキモチが妬けて仕方がない。私の大切な幸村殿の肌にこのような跡を付けて。」

「趙雲殿…謝っても謝りきれないです。」

「前田慶次は幸村殿にどのような事をしたのだ。その身体の奥に例の大筒をねじ込んで…嫌だって叫んで暴れたであろう幸村殿を力で押さえつけて。」

幸村は辛そうな顔をしていたが、ふと赤くなって。

「趙雲殿…興奮していませんか?ほら、ここがこんなに。」

着物越しに趙雲の股間を触ればそこはしっかりと硬くなって勃ち上がり。

「そ…想像してしまったのだ。幸村殿がどのようにして前田慶次に犯されたのか…私は最低だな。想像することによって感じてしまった…」

幸村は趙雲に向かって。

「そんなに知りたければ教えてあげますよ。慶次殿がどのような事を私にしたか…」

幸村は帯で趙雲の両手首をきつく縛る。

夜着をはだけて下帯を取りされば趙雲は顔を赤くして、幸村は恥ずかしがる趙雲の両足を抱え上げて。

「慶次殿はやっと私を壊すことが出来るって嬉しそうに笑いながら…いきなり押し込んできたんですよ。」

勃ち上がった一物を趙雲の蕾に押し当て、一気に体重をかける。

慣らされもせず、いきなり挿れられて、激しい痛みが趙雲を襲う。

「あああああっ…痛いっ…裂けるっ…」

「私は暴れたんですけどね。慶次殿の物は大きくて痛くて痛くてたまらなかったから。それでも離しては貰えなくて。動き出すんですよ。」

幸村はそう言うと痛がる趙雲の蕾の中でグチュっズチュっと腰を動かし一物で中を強く擦り始めて。

「うううっ…ハァ…痛いっ…ハァハァ…」

趙雲が痛みを訴える。幸村は更に腰を激しく動かしながら。

「ああ、趙雲殿、乱暴にしたから切れてしまいましたね。私も切れてしまったから…辛くて辛くて…それでも解放してもらえなくて…」

涙をポロポロと流して泣き出す幸村。

趙雲は泣く幸村を労るように声をかけながら。

「どんなに辛かったか良く解ったから…」

幸村は趙雲に向かって。

「私は趙雲殿の物です。趙雲殿の…どんなにこの身を汚されても…何をされようとも趙雲殿の物で居たい…」

そう言うと趙雲の左胸の乳首にかぶりついた。激しく吸い上げれば趙雲はビクビクと身体を反応させ強く強く幸村の一物を締め上げ。

「ハァハァ…ああ…幸村殿っ。」

「きついですっ…でも…気持ちがいい…」

そう言うと趙雲の腰を掴みぐいっとその身体を引き起こせば趙雲は幸村に正面向きで腰掛ける形になり、その勢いでズチュっと深々と再奥を幸村の一物で貫かれれば趙雲は悲鳴を上げて。

「ああ…深いっ…」

「慶次殿は私の腰を持ち上げて…強引に貫いて来て…」

趙雲の腰を持ち上げてストンと落とせば趙雲はひぃと悲鳴を上げて。

「何度も何度もっ…何度も何度も…」

「ハァハァ…幸村殿…好きだっ…好きだっ…」

「私も好きですっ…趙雲殿っ…」

さんざん幸村に下から突き上げられ揺さぶられて。

耐えきれずに趙雲が幸村の腹に熱い蜜を放てば同時に身体の奥に幸村も熱い蜜を放って。

息を荒げながら趙雲は幸村に顔を寄せて、その涙を舌で舐め取りながら。

「私を自由の身にしてくれないか?幸村殿を守りたい。体力をつけて槍を振るえる身体になりたい。」

「趙雲殿…」

「男として前田慶次を…」

「私の為に…約束してくれますか?前田慶次と戦うなんて事はやめて下さい。趙雲殿に何かあったら…そっちの方が心配です。」

「しかしっ…」

「いいですね。私は二度と慶次殿に隙は見せませんから…趙雲殿は自由にして差し上げます。私を許して下さるというのなら、これからは夫婦らしく過ごしたい…過ごしましょう。」

幸村の言葉が嬉しかった…

夫婦らしく、幸せに過ごせたらどんなにいいか。

しかし、約束は出来ない…男として決着をつけねばなるまい。

これから先、愛しい幸村を守る為に。そう強く思う趙雲であった。

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