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「うぉあ!?」
レオリオがヒソカに殴りかかろうとして逆に返り討ちにあった時に私はその場に着いた。しかもタイミングが良過ぎたのかレオリオが私の方に飛んできた。避ける訳にもいかず頑張って受け止めたけど、レオリオは体格が良いので結構キツかった。
て言うかゴンは何であんなに速いんだよ。危うく見失うところだったじゃないか。
「レオリオ、生きてる?」
レオリオの顔を覗き込んで頬をペチペチ叩いてみたが返事が無い。ただの屍のようだ………って違う違う、気絶しているだけのようだ。殴られたせいで顔が酷い事になっていたが、殺されなかっただけ良かっただろう。
…そんな事より!私はゴンを守る為に来たのに何でレオリオを抱えてんだよ。まァでもさすがに気絶してる人を蔑ろにも出来ないので取り敢えず視線だけでゴンを探した。するとヒソカとかなりの近距離で対峙していた。………ゴンから離れろこの変態!
とか考えていたらヒソカは此方に顔をぐるんと向けてきた。思わずヒッと叫んだと同時に着信音が鳴った。それはどうやらヒソカの携帯からで、二、三言話すと此方に歩いてきた(ゴンは動けないでいるようだが何かされた様子は無い。良かった)。
「やぁ、チハル」
「…どうも」
「うーん………君も合格だ◆」
「は?」
いきなり何の話だ。お前の試験に合格したところで何の感慨も湧かないんだけど。などと色々文句を言いたいところだがそこは我慢した(だって後が怖い)。
ヒソカは手を伸ばしてきたと思ったら、レオリオを担いだ。どうやらレオリオを二次会場まで運んでくれるらしい。良かった、ゴンと私ではキツいものがあった。
ヒソカはゴンに一人で戻れるかと聞いて、ゴンはそれに頷いていた。どうやって戻るのか不安だったが、ゴンが何かしら方法を知っているようだ。良かった。
安心していたらふいに腕に違和感を感じた、と同時に全身に鳥肌が立った。違和感を感じた所を見てみると、ヒソカに腕を掴まれていた。本気でやめてくれ!
「何か用ですか」
「二次会場までの道判らないだろ。連れて行ってあげる◆」
「結構です。ゴンと一緒に行きますんで」
そう言いながら手を振り払おうとしたら振り解けなかった。いくら腕をぶんぶん振っても離れる気配はない。どんだけ力強いんだよコイツ!と半ば意地になってきて硬を使って振り払おうとしたら、一瞬だけ離れてまた腕を掴まれた。
いや、違う。掴まれたと言うより私の腕がヒソカの手の内に戻っていったと言う表現の方が正しい。コレはおかしい、と思って凝をして見たらヒソカの手がオーラに包まれていた。こいつ能力使ってやがる…!
「それじゃあ行こうか★」
「ちょ、ま、ゴンンン!」
ゴンに助けを求めてみたがゴンはまだ動けずにいるようだった。くっ、ごめんよゴン!変態の手から守ってやれなくて!と泣きそうになった時にクラピカの気配を感じた。良かった、彼も無事だったのか。ここは仕方無い、クラピカにゴンは任せよう。そして誰か私の心配をしてくれ。
ヒソカに腕を掴まれたまま暫く走っていた。当然鳥肌は立ったままである。たまに動物が襲い掛かってくるが、ヒソカがトランプを使って全て殺していた。
途中で男性が居たが、私達(主にヒソカ)を見ると悲鳴を上げた。ヒソカはニヤリと笑ったと思うと、またトランプを使って殺していた。ご愁傷様です。
「殺しを見ても全然動じないね◆」
「まァ…仕事柄慣れてますから」
「へぇ、何の仕事してるんだい?」
「言いたくありません」
「相変わらずつれないなァ◆」
誰が教えてなるものか。何か怖い。教えたらストーカーされそうな気がする。
そんな気持ち悪い考えは捨てて、ゴン達は大丈夫だろうか。戻れるらしいから特に心配は無用だろうが、やっぱり心配は心配だ。本来ならば私もゴンと行く予定だったのに。変態からゴンを守る予定が私が変態の餌食になってるじゃないか。何故だ。
て言うか良い加減手を離してほしい。このままだと鳥肌が戻らなくなりそうだ。
「良い加減手を離してもらえませんか」
「離したら君逃げるだろ?」
「逃げませんから取り敢えず離してください」
「…交換条件、君のアドレス教えてよ★」
「は?」
そんなの教えて何の意味がある。私にとっては百害あって一利無しだ。しかし教えないと手は離してくれないっぽい。どっちを選んでも嫌な選択だな。いやでもしかしずっと触られている方が耐え難いかもしれない。
「……わかりました。コレが私のアドレスです」
「ありがとう、毎日メールするよ★」
結局鳥肌立つんじゃねぇか
(選択間違えたかもしれない…)