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□マヨラー注意報
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「あ、やべ」
お妙ちゃんが近藤君を倒すために何か凶器は無いかと聞いてきたもんだから、とっさに隣の土方君の机からマヨネーズを取って渡してしまった。しかも入ってたマヨネーズ5本全部。どうしよ。
近藤君を殺そうとしてる時のお妙ちゃんもかなり怖かったけど、マヨに対して恐ろしい程の執着心を持っている土方君を怒らした時もかなり怖い。どうしよ。目前のあまりの恐ろしさに後の恐怖をすっかり忘れてた。
て言うか机にマヨネーズ5本入れとくとか何だよ。教科書入らねぇじゃん。この机気持ち悪っ!
「つーか、やっべー、後悔先に立たずとは正にこの事か」
「オイ」
「ギャアァア!…な、なな何だい土方君」
「…何をそんなに焦ってんだ」
「わわ私が焦ってるって?そんなカバな」
「…………」
うぉおおおい!カバって何だよ自分んんん!て言うか吃りすぎだろ自分んんん!
あ、ちょ、土方君から凄い不振な目で見られてる。どうしよ。どうやって誤魔化そう。
「どうしたのさ土方君」
「いや、机に入ってたマヨネーズが無くなってたからよ、隣に居たお前なら何か知ってるかと思って」
「…へぇ、マヨネーズが消えるなんてそりゃ奇っ怪な」
…意外と土方君ったら純粋だ。私の事を微塵も疑ってなかった。やべ、何か良心が傷んできた。
でもマヨネーズが消えた犯人が私だとバレる訳にはいかない。ここは白を切り通すぞ!ごめん、土方君!
「私は知らないなァ」
「そうか…まァ大方総悟がやったんだろうけどな。ありがとな……ハァ…」
「…………」
ぬぉおおお物凄い勢いで私の良心が攻撃されていく!既に黄色表示だよどうしよう!
「…ま、まァそんなに落ち込みなさんな!また買えば良いじゃん!」
「いや…あの中には期間限定のレアマヨがあったんだ…アレは二度と手に入らねぇ」
「…………」
良心が……て言うかレアマヨって何だよ!気持ち悪っ!
それにしてもこの落ち込みようは半端無いな。それだけそのレアマヨが大切だったのかな…。
ここはちゃんと謝った方が良いかな。総悟にも濡れ衣着せちゃうし。
「あの…土方君、実は、」
「あ、みょうじちゃん。あら、土方君も居るのね」
「お、お妙ちゃん…」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ何てタイミングで来るんだよお妙ちゃんってば!折角謝ろうとした矢先に魔王降臨!ヤバイ、このままだと先にバレてしまう可能性が!
「どどどどしたのお妙ちゃん」
「そうそう、さっきは助かったわ。そのお礼が言いたくて」
「り、律儀だなァお妙ちゃんってば!別にそんなの良かったのに!」
「何の話だ?」
うわあああ土方君が話に乗ってきたァァァ!ヤバイ!お妙ちゃんと私の会話だけで退いてもらおうと思ったのに!何か土方君興味持っちゃったよ!
「そうだ、あのゴリラに土方君からも言っといてくれません?私の前に二度と現れんなって」
「…あぁ、また近藤さんがやらかしたか。すまねぇな」
「ホントいくら言っても聞かないし、みょうじちゃんから貰ったマヨネーズぶっかけてもまだ向かってくるんですよ?ウザいったらないわ」
「……は?」
「さ!授業が始まるよー!自分の席に着いた着いた!」
「あら、まだ平気よ?」
「いやいや、教科書とか出して授業の準備しないと!」
「そう?じゃあ次の休み時間にね」
「うん!また後で!」
「………オイ」
「(びっくー!)」
ヤバイヤバイヤバイヤバイィィィ!土方君の瞳孔が全開だよ!怖い!て言うかバレた!コレもう完全バレたよね!?私が犯人だってバレたよね!?
「…お前が犯人だったのか…」
「いや、あの、その」
「マヨネーズの恨みは恐ろしいと知らないとは言わせねぇぞ」
「いや、ちょ、待って!話聞いて!」
「問答無用ォォォ!」
「ギャアアアア!!!」
マヨラー注意報
(よーしお前ら、授業始めんぞー)
(先生、今からスーパー行ってきます)
(は?何で?)
(マヨネーズ買ってきます)
(は?)