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□なんぼのもんじゃい
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「タイムリープしたい」

「は?」



昼休み、3Zの連中と一緒に屋上に来ていた。ライバルとオカズの取り合いをしたり、意中の相手のお弁当を狙って返り討ちにあう人が居たりと、教室に居ようが何処に居ようが何一つ変わらぬ煩さで昼食を取っていた。たまには気分を変えて屋上で食べようと言う誰からともなく発せられた提案だったが、あまり意味は無かったようだ。まァ良かった点は物が壊れる心配は無いと言うところだろうか。

かく言う私は皆から離れ、端の方で仰向けで寝ていた。被害を受けない為と言うのもあるが、只単に私が屋上で寝るのが好きだからである。腹は満腹、天気は良好、これは寝ないで一体どうすると言うのだ。そして寝そべって空を見ると、とても澄み切った空で、先日テレビでやっていた映画を思い出した。アニメ映画だと高をくくって観ていたが、クライマックスに近付くにつれ涙はどんどん溢れていた。あの映画を作った全ての人に感謝の気持ちを伝えたくなった。

まァ映画の感想は置いといて…私はついさっきその映画を観れば誰もが一度は思うであろう事を口に出した。あれを観れば誰しも走りながら「行っけー!」と声に出しながら時間を遡る事を期待するであろう。そりゃあ期待はするがやはり現実は現実。その辺はきちんと弁えている。ただ時間を遡りたい願望はあるので、口に出すだけで終わるのだ。しかしそんな恥ずかしい独り言に対して返事が来るとは思わずかなり驚いた。と言うか本気で恥ずかしい。これこそ本当に数分前に戻って自分の行動を改めたい。



「何だよ土方君、居るなら居るって言ってよ」

「やだよめんどくせェ。つか何だ今の独り言。痛いぞ」

「痛いとか言うな。そこは黙って聞かなかった事にしといてよ、結構恥ずかしかったんだから」

「いくら願ったところでお前は真琴にゃ一生なれねェよ」

「死ね」



傷口に塩を塗る様な発言をしたこの男、土方君は苦労人である。クラスメイトによる執拗な嫌がらせや、担任によるあからさまな嫌がらせ(名前呼び間違え)等、何かと可哀想な男である。きっと今も被害を受けない為に此方に避難してきたのだろう。



「土方君時かけ観た事あるんだね、意外」

「映画館行って観たからな」

「…へぇ。余程好きなんだね」

「まァな」



意外過ぎるんだけど。別に時かけは私も好きだし気持ちは解るけど、何か気持ち悪い。



「千昭格好良かったなー。ちょっと聞いてみたかったんだけどさ、男から見ても千昭みたいな男は格好良いとか思うの?」

「…そうだな、最初はヘタレの様に見えるが決める所は決める。それに真琴の事をかなり大事にしてるのが伝わってくる。格好良いと思うぜ。あと顔も良いしな」

「…………」



やっぱり何か気持ち悪い。何だろう、普通にしてれば彼も千昭並の格好良さだろうに。解説が細かいな…。



「お前も千昭にゃ一生なれねェよ」

「いや、なれる」

「痛いよー此処に痛い人が居るよー!」

「煩せェ」



気持ち悪!何こいつ本気で気持ち悪い!今の今まで土方君って良いなとかちょっと思ってたのに…かなりショックだ。て言うかかなり引いた。



「なれる」

「まだ言うか」

「お前にとっての千昭になら俺はなれる」

「………は?」

「お前になら俺は千昭の様に大切にしてやれる」

「…………」

「それに千昭よりももっと大切にしてやれる」

「…………」

「何せ未来になんか行かねェからな」

「…………」



前言撤回、やっぱり良いかもしれない。













タイムリープがなんぼのもんじゃい











(因みに私が真琴としたら…功介は誰?)
(近藤さん)
(……(それは無いな)



















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今年も『●をかける少女』がやってましたね。
私アレ大好きなんです。
調子乗って短編書いたら見事に撃沈しましたすいません。
何が書きたかったんだ自分。
土方では無く千昭で夢を書こうと思ったんですが、私にはどうやってもあの世界観にイレギュラーを組み込めませんでした。
真琴、千昭、功介、あの3人が大好きです。
未来で千昭と真琴が逢える事を心より願っております。

こんな所まで読んで頂き有り難う御座いました!




 

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