short1
□おめあり
1ページ/1ページ
「ナルト、お前今日誕生日なんだな」
「は?何でキバが俺の誕生日知ってんだよ」
「だって背中に貼ってあるし」
「はァ!?うっわ、本当だってばよ……誰だこんな悪戯したのは!チクショー!出てきやがれ!」
………ムフ、ムフフフフ、よしよし、成功したぞ。彼があの貼り紙に気付くまで約一時間半掛かった。鈍過ぎると言うか、誰一人としてその事に触れないという結果に驚きを隠せない。犬塚め、やりおる。
皆さんお気付きかと思われるが、彼に紙を貼ったのは私である。
机に項垂れた様にして寝ていたナルトの背後に自然に近寄り、流れるように貼っていった。それはもうホント、いきなり紙が現れた!と言うような具合に。
え?何でそんな事をするのかって?
そりゃあ、彼の誕生日を祝うからに決まっているでしょう!(そんな風には見えないとか言わない!)
「まァまァ、落ち着きなよナルト」
「これが落ち着いてられるかーッ!絶対ェ犯人見付けてやるってばよ!」
…アレ?何だか予定が狂ってきたぞ。当初の予定としては、周りの人が紙に気付く→ナルトが誕生日だと知る→マジかよおめでとう!今日はパーティーだ!的な流れになると思ったのに!
そんな流れになる所か、誰一人として紙について触れないし、やっと触れたと思ったら祝いの言葉一つも言いやがらない!何故だ!
どうしたものか…今日はパーティーだ!の流れでナルトにプレゼントを渡すつもりで居たのに(今渡せって?無理無理!恥ずかしいじゃないか!)
「そ、そうだ!今日は誕生日なんでしょ!おめでとう!」
「あ?お、おう!サンキュー!」
「折角だし、今日は皆で遊んでパーティーでもしようよ!」
「マジで!?それすっげェ嬉しいってばよ!」
「じゃあ、クラスの皆誘って、」
「あ、俺無理」
「は?」
そんなKY発言をした男の名は、奈良シカマル。さ、参加出来ないだと…この日は何も用事を入れとかないのが常識だろうが…!
「何でさシカマル!」
「そうだぞ!俺の誕生日なんだぞ!」
「や、だって他に用事あるし」
「何だとー!?」
「あ、私達も無理だから」
「サクラにいのまで…!」
まさかのサクラといのも今日は無理宣言。その波に乗ってか、周りの人達まで無理宣言をし始めた。キバも赤丸の散歩あるから無理とか(一生散歩してろこの犬馬鹿!)
チラッと横に居るナルトを見たら、何だか泣きそうだった。私も泣きそう。
「チクショー…最悪な誕生日だ…」
「……………いや、きっと皆前々から予定があって、仕方無く、本っっっとォーに!仕方無く!パーティーに出れないだけで!本当に心の底から残念だと思ってるよ!」
「変な慰めはいらないってばよ…」
「……………」
どうしよう………予想外の展開に動揺してナルトを傷付けてしまった。こんな事になるなんて……あァ、ナルトが何処かに行ってしまう…何だよあの哀愁漂う背中…こっちにまで悲しみが伝染してくるよ………………いや!私が落ち込んでどーする!ナルトを喜ばせ隊隊長の私が!(他の隊員?私一人だけさ!)
「ナルトォオォオオ!!!」
「うぉおおあ!?」
「おめでとう!!!」
「は!?」
「誕生日、おめでとう!」
「…………」
「あの、コレ、プレゼント!」
「…………」
「ほら、開けてみて!」
「………お、おう…」
「…………」
「…………」
「………き、気に入ってくれたかい?」
「……お前………!」
…はっ!ナルトの肩が揺れている!もしかしてコレはプレゼントが好きな物じゃなくてお怒りなのでは………わ、ちょ、え、どうしよう!
「…ご!ごめんなさ「超嬉しいってばよー!!!」ギャアァアア!!」
抱き着かれたァアア!ナルトに抱き着かれたァアア訳解んないィイイ!!!
「お前ってばどうして俺の欲しい物が判ったんだ!?」
「は?」
「コレずっと欲しかったんだよなー!ありがとな!」
「………へへっ」
そう言って満面の笑みを見せてくれたナルトを見て、私ナルトを喜ばせ隊隊長はとても幸せな気持ちになったのであります。
おめでとう、ありがとう
(誕生日、おめでとう)
(そして生まれてきてくれてありがとう)
------------
遅れすぎにも程がある。
10/10頃に書いてはいたんですが間に合わなか、た……。
ごめんよ。でもいつも元気な彼が大好きです。
10月10日 Happy Birthday!