BL
□(中)
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「…………はあ」
「ねぇ、あいつどうしちゃったのよ」
「大方、ジャリボーイのことだろうにゃ。冷たい態度をとってる事に自己嫌悪してるのを見た事あるにゃ」
「…………。馬鹿ね」
「馬鹿だにゃ」
「…………はぁ」
後ろから聞こえてくるムサシとニャースの言葉で、何度目かわからない自己嫌悪。
俺には可愛い可愛い恋人がいる。名前はサトシ。切欠はわからない。最悪な事に、どちらから想いを告げて結ばれたのか忘れてしまった。だけどそのせいで関係が悪くなった事はないので、よしとする。
さて、何故こんなにも落ち込んでいるかというと…………サトシに冷たい態度をとっているからだ。
イッシュ地方へ向かう途中、飛行機内でサトシを見つけた。正直に言うと吃驚したし、嬉しくもあった。だが、今は任務中。気持ちを切り替えないと、昇任のチャンスを逃してしまう。だからサトシと鉢合わせした時、冷たい態度をとった。