BL

□落としもの
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授業が終わり、それぞれの生徒が思い思いの場所へ向かうこの時間。いつものように、俺とマックスは向かっていた。
が、俺にとって、俺にとっての緊急事態発生!(大事な事なので2回言う)

「……ねぇ、マックス」
「ん? どうかしたの、半端くん」
「半端言うな! ……と、それよりも!」

それをずいっとマックスへ突きつける。……それとは、先ほど俺が拾った、マックスの懐から落ちた、ハガキのような、写真のような、カードのような、紙。ただの紙ならば、問題なくマックスへ渡せただろう。「マックス、これ落としたよ」とでも言って終わるはずだった。
では、なぜできないのか。

「あ、半田の写真だ。ありがとー」
「あぁ、うん。って、いや、そうじゃなくてさ! なんで……なんで、俺が……女装してる写真なの!? 着た覚えが全く無しなんだけど!」

そう。中身? 内容? まぁ、それがアウトだった。先ほど言ったように、身に覚えが全くないのだ。

「え? 本人が着なくても大丈夫な方法があるの知ってる?」
「……もしかして、コラージュ?」
「ピンポーン。せーかい! 流石に知ってたか、中途半田でも」
「中途半田言うな。というか、それって犯罪じゃあ……?」
「趣味の範疇だから問題なし」
「こうやって犯罪は重なって増えていくのか……」

ため息をつく。マックスは笑顔。…イラッってくるぞおい。
……そういえば、なんでマックスはこんな写真を持っているんだ?

「あぁ、音無に頼んでやってもらったんだ」
「あー、音無かー……って、今、心の中を読んだのか!?」
「いや、普通にしゃべってたよ。これだから、中途半田って言われるんだよ……」
「だから中途半田って…。…、まぁいいや。それよりもなんで音無?」
「試しに頼んでみたら、やってくれた。翌日にはもう、僕のカバンの中に入ってたよ」
「仕事が早いな」
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