BL

□気がつけば取り残されて
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最初はやる気がなかった。だけど、円堂におされてフットボールフロンティアに出て。色んな事があったけど優勝した。嬉しかった。
でも、その後にやってきた宇宙人達に俺達は……大敗した。俺やマックス達は入院しなければならないほどの怪我を負った。悔しかった。みんな口には出さなかったけれど、態度が、表情が、悔しがっていた。その少し経った後に染岡も足を怪我して入院。
悔しくって悔しくって、エイリア石の力に取り込まれた。石を手にした時、全身から力が溢れるように感じた。これで、強くなれるんだ。
その証しとして円堂達に挑んだ。
負けたけど。



そして俺以外のみんなは、世界へ行った。



少し窮屈になった部室を使いながら、円堂の代わりにキャプテンをやりながらふと思う。
あ、俺ってば取り残されてる。
グラウンドでの練習風景。最初の頃と変わって、部員がたくさん。嬉しいはずなのに、悲しい。寂しい。虚しい。
足りないんだ。足りない。何が? 自問自答を気付けばしている。
そういう風に、ぼーっとしてると毎回注意される。

「ちょっと半田! またぼーっとして……。何回目なのさ」
「あ、マックス。ごめんごめん。次は気をつけるよ」

これが最近のサッカー部の光景。いつもならマックスは練習に戻るんだけど、今日は違ったらしい。マックスが珍しくそばに居続ける。

「……マックス、」
「悩み事でもあるの?」
「……うん」

突然の問いかけに思考が止まる気がしたが、口が勝手に動いていた。
間違いではないから否定はしない。
マックスの目が続けろと訴えていたから、そのまま続ける。

「……足りないんだ」
「足りない? 何が?」
「何って……」

しばし考える。足りない。何が? 何がこの光景に足りないんだ?

円堂

なんとなくで思い浮かんだのは、今まで一緒にやってきた仲間。今は世界で活躍する仲間の名前だった。
あぁ、そうか。

「みんなが、足りないんだ」

 
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