短編・番外編

□非日常に潜む日常
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起きて、学校へ行って、勉強して、しゃべって、寄り道して、帰宅して、食べて、寝る。
当たり前の日常。非日常になったとしても変わらない事実。そんな日常に非日常な日常が加わろうとしていた。



非日常に潜む日常




「あ、門田さんのところのワゴンだ」
「え? あ、本当だ」

帰り道。いつもの通りにしゃべっていたら、路肩に止まっている見慣れたワゴン車が。
十中八九、門田達のワゴン車だろう。近くには本屋がある。

「……ドアが……」
「……杏里、気にしたら負けだ」

罪歌の件で門田達と関わった杏里は少々気になっているようだ。
どちらかというと、杏里もワゴンの所有者も被害者なのだが。

「というか、珍しいなー。いつもはアニ○イトとかとら○あなとかだと思うんだけど……」
「珍しいんだ。ふーん……」

疑問を持っていた帝人達だったが、本屋から狩沢達が出てきた事で、思考を停止する。

「あっれー? 帝人くんじゃなーい」
「杏里ちゃんもいるっすよ」
「よぉ。紀田。学校帰りか。どうかしたのか?」
「いえ。そこにワゴンがあったので……。ここら辺に来るの珍しいなーって」

紀田の疑問に、狩沢が答える。

「あぁ、それはねー。ドタチンがもが」
「いや、遊馬崎がなんか買い忘れた本があるとかで、ここら辺に来てたんだ」
「そ、そうなんですかー……」

だが、途中で門田が狩沢の口を手で遮り、門田が答えた。狩沢はまだ、もがもが言ってる。

「狩沢さん、それを言ったら門田さんに殺されますよ、ってさっき言ったばかり
じゃないですか」
「もがもが……ぷはぁ。そういえば、そうだったわね……。うーん……。ドタチン×みかもが」
「狩沢さーん……」

また門田に口を塞がれている。何を言いかけたのだろうか。


   
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