短編・番外編

□オタクな彼女と副会長と生徒会と+α
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生徒会戦挙が終わり、箱庭学園に平穏がもたらされた頃。
ある生徒達は、殺伐とした空気を醸し出していた。

「さあさあさあ! 大人しく、お縄について下さいよ! 私の目標を達成するために!」
「『いやいや、』『大人しくするのは君のほうだよ』『というか何で僕なのかな?』」

発生源は、普通な生徒と過負荷な生徒。少し離れたところには、生徒会+αが見物している。ある者は扇子を持ちながら、ある者は冷や汗を流しながら、またある者はニコニコと……。

「だーって、生徒会+αでこの服が似合いそうなのは、球磨川くんと善吉くんと不知火ちゃんとー。あとはねー……」
「『うん。それってさ、』『ただ単に君がそれを着てほしい人の名前を挙げただけだよね』」
「当然!」
「『威張らないでよ!』『というか、何で僕なの!?』」
「うははは、二回目だよー」

にじりにじりと普通な生徒は、過負荷な生徒であり副会長な生徒である、球磨川に迫っている。
……手には膝上丈のメイド服を持って。この普通な生徒は、能力、体力、頭脳などのスペックは普通。顔も普通。
ただ、そんな彼女には普通ではない箇所が一つだけあった。

「……なんで、あいつは変態でオタクで腐女子なんだろう」
「言ってはいけないよ、人吉善吉くん」
「なんでフルネームなんですか、阿久根先輩」
「気にしたら負けだよ、人吉善吉くん」
「不知火まで……」

まぁ、つまるところ、彼女は善吉が言ったように、変態でオタクで腐女子なのだ。
色々と気にしてはいけない。

「『あっち行けよ!』『あっちなら余裕で善吉ちゃんに着せれるぜ!』」
「ちゃん言うな」
「えー。球磨川さんなら面白くて可愛くなりそうなんですものー。そう思うよねー、不知火ちゃん!」
「思う思うー! 球磨川さん! ぜひ着ちゃって下さい!」
「『君も敵なのか!』」

球磨川の周りには、敵と傍観者のみ。あわれ。
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