短編・番外編

□1.美少年発見!
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◇オタクなヒロイン5題

1.美少年発見!

……さて、転校初日目な今日。楽しみ過ぎて早めに学校へ来てしまった。目の前には、今日から私が通う雷門中がある。どうやら朝練をやっているらしく、学校のあちらこちらから声や音が聞こえてくる。
どうしたものか。学校を探検しようにも、迷ってしまったらダメだ。ならば?

「運動部でも見ていくか……」

という事で、運動場を探検する事になりました。わー、ぱちぱち。……ふぅ。
声を頼りに学校へ入っていく。さてはて、どんな部活があるのかな?


門へ入ってからすぐに聞こえてきた声。何部かなー、と思いながら近づいていくと。

「サッカー部か……って、え?」

なんだか色々とツッコミたい箇所があるけど、そんなことは今はどうでもいい。
重要なのは……。

「美少年がいる……だと!?」

あの周りがイケメン過ぎて、埋もれてしまいそうな中途半端な顔。頭のてっぺんあたりには、ぴこぴこと動きそうな二葉。とある漫画から入手した情報によると、彼のポジションはMFだろう。

「なにあれ……すごく美少年じゃん。というか、サッカー部の人達仲良し……」

観察対象に決定。顔ぶれを覚えておかなければ。仲良しになるという選択肢は有りません。いや、仲良くなれるならなりたいけど。

「……あ、人が増えてきた。そろそろ職員室へ行くか」

クラスメートと仲良くなれるかなー。なれたらいいなー。美少年いたらいいなー。




「……いるし」
「それじゃあ、席はー……」

所変わって2年生のとある教室。クラスメートの顔を見ていたら、見覚えのある顔がちらほらと。……サッカー部員が、分かる範囲で4人。その中に例の美少年がいるのである。これはあれか。神のお告げか。あの美少年を観察しなさいという。ありがたき幸せ!

「半田の隣が空いているな。半田、手を挙げろー」
「…………」

偶然? その美少年は半田という名前らしい。……まぁいい。色々と仕掛けさせてもらうか。私の萌のために!
そんな事をつらつらと頭の中で考えながら美少年の隣へ。

「これからよろしくね。中途半端な美少年!」
「は、えぇー!?」
「半田ー、うるさいぞ」



美少年発見!


(半田美少年、ちなみに下の名前は?)
(……、……真一)


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