Mix!!

□交錯する者達
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くん、と、その少年は突然空の彼方を見やった
その眼光は鋭く…が、すぐに気の抜けた表情に戻る

『?どうしたんですか?』

少年の様子を見兼ねて、黒髪をさらさらと靡かせながら少女は問うた

「なんつーか…悪寒みてぇな…」

『まさか、イタリアでなにか…?』

「…いや…これは…」

この感じは、違う。
少年は確信する。思考を急速に回転させながら。
これは……事件が起こるような予感ではなかった。
ただ、ただ何かは確実に起こるのであろう、予感。
それが吉となるか凶となるか、それすらもわからないが、この嵐を未然に防ぐことは到底できないのだろうとも悟っていた。
ふう、と息を吐く。肩を落とす。なんて面倒な日常だと、心のなかで嘆いた。

傍らには双子の妹が、心配そうに顔を覗き込んでいる。

『に、兄さま……?』

「ん、まあ、なんとかなんだろ」

防げないのなら、

打破するまでだと。


―――少年は、優美に微笑った。
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