Mix!!

□交錯する者達
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その日は入学式。綱吉達は晴れて高校生となる麗らかな月曜日。
校長の長い話を聞きながらそれを実感し、綱吉は呟いた

「はぁ…進学できてよかったぁ……」

「さすがっす10代目!高校でもお供します!」

出席番号が近く、隣合わせの綱吉と獄寺はそんなことを話し合う
そして後ろの列からは

「ボンゴレボスが中卒は有り得ねぇだろ」

『もう、兄さま、綱吉さまが頑張って勉学に励んだ結果ですよ。』

黒髪に黒曜石のような瞳、対照的な白い肌。
男の方は背は高いが、両方とも、少し華奢な体躯。

「あはは…2人が勉強教えてくれたお陰だよ。
ありがとう、愛羅、愛吏」

そこには、整った顔立ちをした双子の兄妹。
愛羅と呼ばれた少年は、嬉しそうに笑う妹、愛吏を寵愛するかのような眼差しで一瞥してから
くあ、と小さく欠伸をした

『いえ、お役に立てたのなら光栄ですっ』

「まぁ例え落ちても、金の力でなんとかなるよな」

「こえーよ!マフィアのやり方使ってくんなよ!」

「そこの新入生!静かに!
……ではこれより着任式を始めます」

教頭の言葉で、壇上には3名の教師が並ぶ。
他の学校から転任してきた者、これから教師となる者。休暇をとった教師の代わりに、きた者。

『……兄さま』

「ああ、」

すうっと双子の視線が、観察対象を見るものに変わる。


どうやらやはり、愛羅の予感は当たったようだった。
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