Mix!!

□黒か白か
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それは次の土曜日のことだった。
珍しく朝の時間帯に起きた愛羅はすぐに直感する

「……」

…沢田の家からあの担任の気配がすることに。
何故こんな朝から奴がいるのか。
いや、前は隣の住人だったわけだし、懐かしくなってきたのかもしれない。……が。
少し不審に思い念のため、と愛羅は起き上がった。
とりあえず沢田は今も寝てるようだ。
リボーンの奴は何をしているのか。
さっさと着替えを済ませると、愛吏には何も言わず置き手紙を残して隣の家へと向かった。
そういえば、愛吏は気づいた上で黙っているのだろうか。

隣の家のインターフォンを押すと、

「あ、月影君?おはよう」

「…はよーございます…」

すぐに出てきたのは、件の担任、雷淀雪斗だった。
私服の上にシンプルなチェックのエプロンを着ている。

「そっか、お前家隣なんだよな。
いやー昔住んでた家もっかい住めるかなーなんて思ってたけど、もう人入ってたとは。
3年って短いようで長いんだなー」

「…」

…やばい、こいつのテンションに付いていけない。
ぐ、と言葉を呑み込んでいると、

「あら、愛羅君おはよう!
今日は結構早いのね。上がって上がって」

「はよーございます…」

こんな朝早くの来客も気にしない辺り、さすが奈々さんだった。
この目の前にいる担任もまた、リボーン達とまた同類なのか。

「あ、朝ご飯食べてないなら食べるか?一緒に」

「…いや、家で、妹が待ってるんで」

「そうか、」

そのまま彼はキッチンへと戻って行く。…少し鼻歌混じりな気がする。

「(ただの杞憂、か)」

とりあえず奈々もいるので大丈夫だろう。
安堵と同時になんだか馬鹿馬鹿しくなる、俺らしくもない。
もう一眠りするか、と欠伸を1つ落とし、背を向けると、

「あら?帰っちゃうの?」

奈々が残念そうに顔を覗かせた。
それに少しの愛想笑いを浮かべながら


「何かあったら、呼んでください」
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