-Lifily-〜CLANNAD×Fate〜

□日常〜回りだす歯車
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「……で、…………の?」

懐かしい声がする。

「な…で、…わ……の?」

その純粋な問いに、俺は答える。

「なんで、笑わないの?」

わからない。

「楽しくない?」

楽しいって、何。

「楽しいって何か、知らないの?」

うん。

「じゃあ、嬉しいのも知らない?」

うん。

「そっか……」

………。

「じゃ、教えたげる」

何を。

「楽しいことも、嬉しいことも、全部…」

………

「ん……」



「………」

こういう天気は気が滅入る。

「…」

夢…夢を見ていた。
美しい紫色の髪と瞳を持った子だった。
ただ、昔彼女は確かに俺の前にいて、仲良くしていたと…
子供の時のように、実際子供だったそのころのことは覚えていた。

………

「にしても……」

一つのゲームと俺はにらめっこしていた。

CLANNAD。ありふれた学園生活から始まる友情と家族の物語。

「……似てる」

その中のヒロインの一人が、異様に「彼女」に似ていた。

「偶然……だよな?…」

そうだ。絶対偶然に決まっている。そもそもこんな美人がこの世界にいるわけ無いじゃないか。
…待て、そしたら俺が会ったあの少女は一体どうなる?

「はぁ…やめよ…」

こんなこと考えてても気が滅入るだけ。
切り替えが早いのが俺の長所だ。気にしないことにしよう。

………

「……で」

もう途方にくれるしかない。

「ここは一体どこなんだ?…」

家を出てから見慣れないトンネルみたいのものを見つけて入っていったのが数分前。
そして潜り抜けてみれば…

「絶対違う場所だな」

見知らぬ場所、慣れない雰囲気、なんとなく懐かしい感じ…

「…懐かしい?」

何故そう感じたのか…

「あー、考えない考えない」

今はここから帰ることだけを考えよう。

「しかし…」

なんですか?潜り抜けて振り返ってみれば森になってるトンネルってなんなんですか?

「…参ったな」

こんな状況でさめた声しか出ないのもどうかと思うぞ、掟堂 誡。

「ふう…」

行く当てなく歩き出した−その時。

「あ、あんた…」

「あ…」

俺は「彼女」に再会した。

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